山のトレラン、街の自転車の生き残り術
〔photo〕gettyimages

文/白戸太朗

ハイカーとの摩擦

久しぶりにトレイルランにハマッている。

15年ほど前はアドベンチャーレースをやっていたこともあり、山中でよく走っていた。だがその後は、トライアスロンをもう一度ちゃんとやろうと思ったので、少々足が遠のいていた。最近ちょっとしたきっかけで走りに行くと、それが楽しくて、楽しくて。やはりタイムや距離にとらわれることなく、自然の中で体を動かすことの楽しさというのは格別なのだと再認識した。

ところが、そのトレイルランに対するか風向きがよくない。まぁ、10年ほど前から言われてきたことだが、事態は好転していないようだ。問題は、今までハイカーの道として親しまれてきたトレイルに、同じルートをランナーが走り抜けることでハイカーたちからクレームが続出したこと。さらに、トレイルランのイベントが増え、大勢のランナーが一度に走ることによる、自然への影響が懸念されている。

まず前者のハイカーとの摩擦問題。基本的にトレイルはハイカーだけのものではなく、皆のものだ。確かにハイカーたちが使ってきたトレイルに、新参者が入ってきて大きな顔をされると面白くないのは当然だが、「自分たちのものだから入ってくるな」という意識はおかしい。

しかし、トレイルランナーのマナーも悪いのも大きな原因だ。歩いている人に声もかけず、いきなり追い抜いたり、すれ違っていては、ハイカーたちが怖がったり、嫌がるのも無理はない。ゴミ投棄やトレイル以外のところに走り回る者もいるという。これでは「出て行け」と言われて当然である。

今後、ランナーのマナー向上が必須であることは間違いない。こうした意識の高まりから、地域のトレイルを愛するランナーたちがマナー向上を訴えたり、清掃活動などに乗り出している例もある。

トレイル問題ではよく登場する鎌倉でも「鎌倉トレイル協議会」という任意団体が作られ、「鎌倉トレイル・ガイダンス&ルール」を制定、啓蒙活動を行っている。トレイルを走ることは許可制度でもないが、自分たちがきちっとした行動をとらないと、トレイルを使う仲間に入れてもらえなくなるので、非常に大切な活動だろう。