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知らないと損する「遺族年金」
妻・夫が死んだら、あなたの「年金」はこんなに変わる

〔PHOTO〕gettyimages

伴侶を失って悲しみの淵に沈んでも人生は続く。妻に先立たれたとき、あるいは妻を遺して逝くとき、その後の年金はどうなるのか? 意外に知らない遺族年金の仕組みを学び、もしもの時に備えよう。

夫が遺族年金をもらえる場合

「夫が58歳で末期の肺がんの告知を受けたときは頭が真っ白になりました。結局、わずか半年で夫は亡くなりましたが、その死を悲しむ暇もなく突きつけられたのが、おカネの問題でした。

私はずっと専業主婦で、老後の資金のことは夫に任せっきりでしたから、夫婦二人で贅沢しなければ少ない年金でも問題ないとぼんやり考えていました。ところが、支給される遺族年金が思ったよりずっと少なかった。こんなことなら、もっと準備しておけばと今になって後悔しています」

こう語るのは、2年前に夫を亡くした山路仁美さん(56歳、仮名)。高齢化が進み、誰もが自分の年金生活に不安を抱いている昨今だが、夫婦のどちらかが亡くなった場合を想定し、その後の年金の額まで試算している人は意外に少ない。

夫が先立てば、専業主婦の妻は遺族厚生年金がもらえるが、その額は老齢厚生年金の4分の3以下。遺族から「意外に少なかった」という声が聞かれることも多い。また、妻が亡くなれば、その国民年金額(満額で7万円弱)が、ごそっとなくなることになる。家賃や光熱費、食費といった費用は一人でも二人でもほとんど変わらないもの。夫婦二人でつつましやかな生活を送ってきた世帯にすれば大きな減額だ。

遺族年金は、大黒柱を失った遺族が路頭に迷わないために設計され、'86年から施行されている制度だ。もちろん実際は、人によって支給額が充分でないこともあるし、逆に想像以上に手厚く支給されることもある。いずれにしても、配偶者が亡くなったら、その後の年金設計が大きく変わるということを肝に銘じておいた方がいい。