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FRB「利上げ」後のドル円レートはどう動くのか? 日米のマネタリーベース比率に注目して考えてみよう
〔PHOTO〕gettyimages

未来の為替レートは予測できるのか?

先日参加したあるイベントで、聴衆の方から来年の為替レートに関するご質問を受けたが、時間の関係であまり詳細に話すことができなかった。そこで今回は、この場を借りて、今後の為替レート(特にドル円レート)をどう占うか、について考察してみたい。

このようなイベントに関わらず、「来年のドル円レートはどのくらいになるのか」という為替見通しは、経済に関する話をする場合に中心的な話題になることが多い。そして、職業柄、エコノミストや為替アナリストは、なにかしらの精緻なモデルに基づいた話をしている風を装って見通しを語ることが多い。

だが、1983年にRichard Meese氏 とKenneth Rogoff氏が「Empirical Exchange Rate Models of the Seventies」という論文を発表して以来、「どんなに精緻な手法を用いて為替レートの予測値を出したとしても、『ランダムウォーク(酔歩)』に基づく予測値には勝てない」ことが研究者の間では通説となっている。

しかも、その状況は今でも変わっていない。すなわち、為替レートの予想をわざわざ為替アナリストなどに聞いたとしても、自分で足元の為替レートを元に適当に答えた値とそのパフォーマンスには大した差はないということが実証されて久しいのである。

よって、為替取引で利益を上げるためには、よほどの幸運を持ち合わせているか、類まれな運動神経をもっているか、誰もが模倣できないトレーディングのアルゴリズムを開発するか、いずれかに該当する必要があろう。

とはいえ、為替レートについての研究は現在進行形である。そして、現在の研究は、①「経済データ」の1つとして為替レートをみた場合、どういう「振る舞い」をしているか、②為替への投資で利益を上げるためには、どのような指標を用いればよいか、という点に移行している。

これを「投資」という観点から簡単にいえば、為替レート変動の特徴を把握した上で、「使える指標」の動きをみて、適切なタイミングで売買することができれば、わざわざ絶対水準を当てにいかなくても、的中させなくても、利益は得られるという考えが主流となっている。

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