なぜメジャーリーグの監督はファンに優勝を約束しないのか?
~日米野球の違いは、ココにあった!

長谷川滋利の「ベースボールでビジネスが分かる!」
現役時代の長谷川氏。言わずと知れた、日米両野球界で活躍した名投手だ【PHOTO 】gettyimages

ゴルフの後でも300球の打ち込みを行う男

元メジャーリーガーの長谷川滋利が日米の野球文化の違いを徹底比較する新連載。第一回目は、日米の「監督観」の違いを見ながら、来年のペナントレースの展望を予測する!

日本の野球界は、新監督の就任で盛り上がっていますね。今回は、各球団の新監督について触れながら、日米の「監督観の違い」についてお話しましょう。

選手兼監督や監督代行からの昇格を合わせると実に6人、12球団の半分が新体制で来季を迎えることになります。もっとも長く務めている北海道日本ハムファイターズの栗山英樹監督の就任が2012年ですから、日本のプロ野球はすごいスピードで新陳代謝が行われていると解釈してもいいでしょう。

特に来季のセ・リーグは、僕と同級生である阪神の金本知憲新監督と、2季目を迎える広島の緒方孝市監督(共に47歳/2016シーズン開幕時)が最年長で、あとの4監督は僕より年下です。12球団最年少の巨人・高橋由伸新監督なんて40歳ですから、「ああ、若い世代が日本のプロ野球を背負うようになったんだな」と、感慨深いものもあります。

やはり注目は人気球団、巨人と阪神の指揮官でしょう。高橋監督は長嶋茂雄さん以来の引退即就任ですし、金本監督も引退してまだ何年も経っていません。

選手は両監督の現役時代を自分の目で見ているわけですし、選手としての気持ちや感覚をよく理解している彼らの言葉を積極的に取り入れようとします。最大のアドバンテージはそういった人心掌握術ですね。チームの和であったり監督と選手のコミュニケーションはほとんど問題ないでしょう。

そうなると、鍵を握るのはブルペンとの連携でしょうか。

例えば、金本監督は現役時代、誰よりもバットを振ったことで有名でした。阪神の選手も「あれだけの練習をしないと、金本さんのようなレジェンドにはなれないんだ」と痛感したと思います。

これは余談になりますが、オフにゴルフを一緒に回った時もランチの後に『ちょっと練習してくるわ』とドライビングレンジで黙々と200~300球も打っていましたね。

誰よりも真面目で誰よりも努力する超人ですから、野手は背中を見て間違いなくついてくると思います。「とにかく練習しかない」と本人も言っていました。ただ、チームがそういう雰囲気になるのはポジティブなことですし、常に野手は「バットを振ってナンボ」みたいな部分はあるのですが、投手陣の使い方をどう考えるかは課題になってくると思います。

金村曉コーチ、香田勲男コーチとコミュニケーションを円滑にし、どのようにローテーションとブルペンを回すかが大きな命運を握るのではないでしょうか。