北京では2台目のクルマが流行する
中国市民の購買意欲

244万円のコース料理も登場

「恭喜発財、万事如意」(財を成して喜び、万事を意の如くする)

 この言葉は中国人の理想を表しており、年賀状に印刷される決まり文句でもある。このほど、中国の第一四半期(1~3月)の主な経済統計が出揃ったが、中国はまさにいま、新興の経済大国として、我が世の春を謳歌している。

 まず、第一四半期のGDP(国内総生産)の成長率は、11.9%! 昨年の第一四半期が、世界的金融危機の影響で、6.2%しか成長できなかったことがウソのようだ。先月の全国人民代表大会(国会に相当)では、温家宝首相が壇上から、「保8!、保8!」(8%成長を保つ)と連呼していたが、この分では通年で8%成長はむろん、10%成長すらも、軽くクリアしそうな勢いだ。

豚肉の食べ過ぎで豚がなくなる?

 いまの中国の恐るべき点は、これだけの高成長を維持しながらも、CPI(消費者物価指数)の伸びが、2.2%に抑えられていることだ。政府の掲げる「高成長、低インフレ」(年間インフレ率3%以内が目標)は、いまのところ維持されている。

 昨今、あまりに景気が過熱しているために、人々が豚肉を食べ過ぎ、豚が過去2年で最低の4億4300万頭まで減ってしまい、CPIの最重要指標である豚肉価格が上がることを政府は警戒しているという冗談のような話まである。

 国民の購買意欲も、相変わらず衰えを知らない。第一四半期の貿易額は、輸入が64.6%増の3016億ドル、輸出が28.7%増の3161億ドル。3月に限って言えば、6年ぶりに、72.4億ドルの輸入超過となった。特にアメリカからの輸入が、42.7%増の2366億元(1元=約13.6円)と突出している。

 第一四半期の国民の総消費額は、17.9%増の3兆6374億元。内訳は、飲食費が16.7%増、家具購入費が37.6%増、家電購入費が29.6%増などとなっている。

 私の自宅近くに、このほど高級椅子専門の家具店がオープンした。足を運んでみると、日本円で100万円以上する「社長椅子」がゴロゴロ並んでいて、IT系企業経営者風の若者たちが、ひと目見てその場で買っていく。

 また、レストランは高級店ほど予約が取りにくい。私が通うオフィス近所の某高級レストランは、一人前18万元(244万円)! のコース料理を、メニューに出している。

 また、オフィスの隣に最近オープンしたワインショップには、1本15万元(204万円)のロマネ・コンティを始め、日本円で100万円以上するフランスワインがズラリと陳列されている。先日、仏ボルドーから有名ワイン会社が訪中してこの店で試飲即売会を開いた時には、ワイン好きの若者たちが殺到し、5万円以上するワインが飛ぶように売れていた。

 消費のバロメータと言われる自動車も、絶好調だ。トヨタのリコール問題に端を発した一連のリコール問題で、自動車販売台数が頭打ちになるとの一部観測がなされたが、第一四半期の自動車販売台数は、前年同期比72%増! の461万台。

 昨年、自動車販売台数が1300万台を突破し、アメリカを抜いて世界一の自動車販売大国になったばかりというのに、このペースで行けば、今年は年間2000万台の大台を超えてしまう可能性がある。

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