北欧の小国「スウェーデン」はなぜグローバル企業を輩出し続けるのか?

2015年12月14日(月) 田村 耕太郎
〔PHOTO〕iStock

H&MもSpotifyもIKEAもスウェーデン生まれ

東京都より人口が少ない北欧の小国スウェーデン。高福祉・高負担の福祉国家としても有名だが、実は世界的な企業(スタートアップを含む)を多数輩出していることでも知られている。

昨今ではカジュアル衣料のH&Mや音楽ストリーミングのSpotifyが有名だが、家具業界に世界的な激変をもたらしたIKEAもこの国で生まれた。自動車のボルボも、通信機器のエリクソンもスウェーデン生まれだ。どうやらそうした背景にはユニークな学校教育と家庭教育があるようだ。

ハーバード医学部教授としてゲノムサイエンスを活用した創薬会社ヒューマンゲノムサイエンスを立ち上げ、世界初のビリオネア医学者となったウィリアム・ハゼルタイン博士については、以前このコラムでも紹介した(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45645)。

その彼が立ち上げた財団「アクセス・ヘルス・インターナショナル」でフィリピンのカントリーマネジャーを担当するヴェラさんと、先日マニラでランチした。面白い人生を送っている女性に出会うとついついわが子の教育に活かそうとする癖が出てしまい、根掘り葉掘り聞きだしてしまった。

スウェーデン人の彼女は、脳神経外科医の家庭に生まれ、自身も精神科医となる。スペイン語を習得する目的でスペインへ渡り、そこで働きながら学び、精神科医のスキルとスペイン語を武器に、今度はアルゼンチンに渡る。そこでも開業。

その後、メキシコで産業医となり、多くのCEOや政府高官と出会い、そのキャリアを買われ、英エコノミスト誌やブルームバーグにラテンアメリカの名士を紹介するビジネスデヴェロッパーとなった。

そして、政財官を行き来するキャリアと精神科医の実績と英語・スペイン語のスキルを買われ国連へ。国連では発展途上国のヘルスケアシステムのコンサルタントをしていたのだが、そこでハゼルタイン博士と出会い、「アクセス・ヘルス」財団にジョインした。

ご主人はスリランカの有名な大富豪の御曹司。財団のメンバーのキャリアはみな半端ではない。すべての面でグローバルなのだ。




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田村 耕太郎

(たむら・こうたろう) 前参議院議員。エール大学上席研究員、ハーバード大学研究員などを経て、世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出したシンクタンク「ランド研究所」で唯一の日本人研究員を務めた。
国立シンガポール大学公共政策大学院名誉顧問、新日本海新聞社取締役東京支社長。
1963年生まれ。早稲田大学卒業、慶応義塾大学大学院修了(MBA取得)。デューク大学ロースクール修了(法学修士)、エール大学大学院修了(経済学修士)、オックスフォード大学上級管理者養成プログラム修了、ハーバード大学ケネディスクール危機管理プログラム修了、スタンフォード大学ビジネススクールEコマースプログラム修了、東京大学EMP修了。
2002年から10年まで参議院議員を務めた間、内閣府大臣政務官(経済財政、金融、再チャレンジ担当)、参議院国土交通委員長などを歴任。
シンガポールの国父リー・クアンユー氏との親交を始め、欧米やインドの政治家、富豪、グローバル企業経営者たちに幅広い人脈を持つ。世界の政治、金融、研究の第一線で戦い続けてきた数少ない日本人の一人。
2014年8月、シンガポールにアジアの地政学リスクを分析するシンクタンク「日本戦略情報機構(JII)」を設立。また、国立シンガポール大学(NUS)リー・クワンユー公共政策大学院の兼任教授に就任し、日本の政府関係者やビジネスリーダーに向けたアジア地政学研修を同校教授陣とともに実施する。
著書に『君に、世界との戦い方を教えよう 「グローバルの覇者をめざす教育」の最前線から』などがある。