リベラルの敗北。やはりデモで政治は動かない
~大阪ダブル選と気になる橋下市長の去就

「官々愕々」より

大阪維新の会のwebサイトより

迷走を続ける野党にうんざりする市民が増えている。

民主党は、前原誠司元代表や細野豪志政調会長らタカ派が、おおさか維新の会(以下、おおさか維新)を率いる橋下徹大阪市長との連携に色気を見せつつ、政策軸もないままに「解党して新党結成」と叫ぶ。

一方、岡田克也代表ら執行部は共産党との選挙協力に未練を残し、党としての対応が決まらない。

おおさか維新に見捨てられた維新の党(以下、維新)は、やっと党代表を決める段階で、民主との合流話も先が見えない。支持率もほぼゼロで、党消滅の危機にある。

唯一、元気な共産党も、国会閉会直前にぶち上げた「国民連合政府」構想が、2ヵ月経っても、維新、民主に真面目に取り合ってもらえず、提案の賞味期限も切れ始めた。

他方、11月22日の大阪ダブル選で圧勝を果たしたおおさか維新は、勝利の熱気もまだ冷めやらぬ27日、来夏の参議院選挙の候補者育成のために「維新政治塾」を始めると発表した。今は衆参19議席の小勢力だが、今回のダブル選で息を吹き返し、来夏の参院選でも台風の目になることは確実だ。

橋下市長は憲法改正が悲願の安倍晋三首相に、「あらゆる協力を惜しまない」とエールを送っている。参院選で、自民や次世代の党、新党改革など、憲法改正を目指す勢力におおさか維新を加えて3分の2以上になれば、憲法改正発議が一気に現実味を帯びる。

そこで気になるのが、橋下市長の去就だ。引退を公言したこともあり、一度は政界から身を引くだろう。しかし、橋下市長は、「私人になった後は自由にやらせてもらう」と発言している。橋下市長の国政出場待望論は根強い。早ければ来年の参院選かその後(または同日)の衆院選に出馬して国政デビューとなる可能性が高い。

大阪ダブル選挙は、「改革」を叫ぶおおさか維新への市民の期待の大きさを示した。耳に心地よいバラマキ政策を唱える自民や共産に対しては、はっきりノーが突き付けられた。市民は、冷静に現実を直視している。「改革」なしには日本の将来は危ういと直感しているのだ。

今回の選挙では、自民、共産、民主いずれも敗者である。しかし、実は、本当に敗北を喫したのは、リベラル層の市民だと見ることもできる。反安保法制デモでは盛り上がったが、それだけでは政治は変わらないということだ。

4年前から決まっていたこのダブル選挙に、反安倍、反橋下のリベラル票の受け皿となる自前候補を擁立できなかったことが悔やまれる。

橋下市長は、国会前デモに対して、「デモで政治は動かせない。悔しかったら選挙で戦え」という趣旨の発言をしたが、その言葉は正しかった。

リベラルの市民層は、来年の参院選で、他力本願ではなく、自ら信頼できる候補者を立てるしかない。しかも反安保法を唱えるだけでなく「改革」を実行できる候補者でなければ国民の支持は得られない。

今すぐ動かなければ、「100年の後悔」につながるだろう。

『週刊現代』2015年12月19日号より

 

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