政局
安倍政権は2020年、東京五輪まで続く!?
吉田茂以来の「第5次内閣」が生まれる可能性が出てきた

安倍首相と山口公明党代表〔photo〕gettyimages

 公明党への譲歩

焦点になっている2017年4月からの消費税率10%への引き上げ時に導入する軽減税率について、新聞各紙はこの間、熾烈な取材合戦を繰り広げてきた。

やはりというか、当然と言うべきか『読売新聞』(12月9日夕刊)が一面トップ横大見出しに「食品全般に軽減税率――財源8000億~1兆円、政府与党が最終調整」とスクープし、翌10日の『毎日新聞』(朝刊)は「軽減税率 食料品全般――財源1兆円で自公合意、10%増税時自民が譲歩」とフォローした。

ちなみに、『朝日新聞』(9日付朝刊)も一面トップ縦見出しに「軽減税率加工食品も――対象拡大財源8000億円軸 調整」と掲げ報道したが、財源の数字が8000億円ではなく1兆円である。

端から安倍晋三首相が言っていた「4000億円以上でも以下でもない。ない袖は振れない」のか、公明党(山口那津男代表)が求めてきた生鮮食品と加工食品を含む食料品(酒類、外食を除く)を対象とするために必要な財源1兆円のいずれかの選択しかなかった。

簡単に言えば、安倍官邸が、自民党を押し切って公明党に譲歩したということだ。

自民党執行部では、谷垣禎一幹事長と稲田朋美政調会長の2人が、①「税と社会保障一体改革」の枠内で捻出できる4000億円に収まる生鮮食品のみを対象にすべき、②対象品目が増えると小売店など関係する事業者数が圧倒的に増えて混乱が生じる、などを理由に非妥協路線であった。

こうしたことから、9日なって財務省周辺から、谷垣幹事長が「自民党執行部の頭越しに公明党と妥協を図ったことを理由に」辞任するのではないかとの観測が流されている。谷垣幹事長周辺にも「もともと財政再建派の谷垣はこの期に退いて『ポスト安倍』を目指すべきだ」と言う向きがあるという。

いずれにしても、菅義偉官房長官を中心とする官邸サイドが、財源不足を言い募り食品全般に対象を拡大することに最後まで抵抗した財務省(田中一穂事務次官)に対する不信感をますます強めたことは事実である。