野球
監督就任1年目で日本一!
工藤公康が現役引退後に「野球教室」で学んだこと

〔photo〕wikipediaより

文/二宮清純

野球教室での指導経験

就任1年目で福岡ソフトバンクをリーグ優勝、日本一に導いた工藤公康監督の記事を「週刊現代」(12月19日号)に書きました。

自分の娘や息子と年齢のかわらない選手たちを指導するにあたり、工藤さんが重視したのが選手たちとの対話でした。それがうまくいったからこその連覇達成だったと言っていいでしょう。

紙数の都合上、誌面で紹介できなかった話を書き記しておきたいと思います。

工藤さんによると、若い選手たちとコミュニケーションをはかる上で、最も役に立ったのが「野球教室での指導経験」だったそうです。

工藤さんは現役引退後、全国各地を精力的に飛び回り、ピッチャーを中心に指導を行ってきました。しかし最初はうまくいかなかったそうです。

工藤さんの話。「中学生くらいになると“オレ凄いぜ!”みたいなヤツが結構いるんです。“アンタなんかに教えてもらわなくたって構わないんだぜ!”と顔に書いてある」

そんな時、工藤さんは、どうしたのでしょう。「実際に近くで見ると、いい球投げるんです。“いいねぇ”と、まずは褒めてやる。続いて“で、何かうまくいっていないことある?”と聞いてみる。大抵の場合、“いや、別にないっす”とこんな感じですよ」

プロ野球で通算224勝をあげた工藤さんにしてこんな対応なのですから、実績のない選手は大変かもしれません。

 ハエを叩くように

工藤さんによると、“上から目線”で、ああしろ、こうしろと言っても、今の子供たちは付いてこないそうです。頃合いを見計らって、下半身の使い方を教えます。

「これで投げてみな。ちゃんと前で腕が振れるようになるからな」

すると明らかにボールの質が変わるそうです。