大介護時代、到来!「ブラック視」され担い手がいない介護業界に、革命児が現れた
「介護甲子園」の挑戦
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介護の世界を変える取り組み

「1億総活躍国民会議」が取りまとめた主な緊急対策は、①GDP600兆円、②希望出生率1.8、③介護離職ゼロの三つだ。

いずれも目標は高く、実現は困難なものばかりだ。「介護離職ゼロ」では、介護サービスの受け皿を50万人分新規整備することになり、そのために特別養護老人ホームの待機者解消やサービス付き高齢者向け住宅の整備計画を盛り込んだ。

結局、用意されるのはハコ物だけ。80万人は不足しているという介護士など介護職への配慮がなされていない。

介護報酬が削られるなか、介護士の給与は全産業平均に比べて圧倒的に低いにもかかわらず、改善する兆しが見えない。月に最大2万7000円の処遇改善加算金はあるが、キャリアアップ制度などに連動、誰にも平等に行き渡るような使われ方をされていない。

月に5回の夜勤を入れても手取りが20万円に届かない…といった給与体系が一般化している労働環境では、介護士はなかなか集まらないし、就職しても3K(きつい、汚い、給料が安い)職場の現実に音を上げて、離職する人が後をたたない。

こうした現状を、介護現場から変えようという試みが、「介護甲子園」である。

11月下旬は「1億総活躍国民会議」で議論が白熱していたが、その最中の22日、東京・日比谷公会堂で第5回の決勝大会が開かれ、今年は、愛媛県松山市の認知症対応型共同生活介護の「グループホームルンビニー」が優勝した。

その名の通り「甲子園」である。

介護職であれば、老人ホーム、グループホーム、デイサービス、障害者支援と職種を問わない。今年は全国から2771事業所がエントリーし、30事業所が2次予選に進出、各事業所の撮影・編集した動画がインターネットで公開され、視聴者による投票で全国五ブロックの代表が選ばれた。

決勝大会は、それぞれの事業所に応援団がつき、ステージに約10名のスタッフが登場、映像に演技を重ね合わせて約15分のプレゼンテーションを行った。

優勝したルンビニーの主たるテーマは「看取り」だった。

2002年の開設からこれまでに34名の入居者が亡くなったという。その際、ルンビニーで行っているのは、看取り後、家族とともにお風呂で体を丁寧に洗い、生前、お気に入りだった服を着させ、見送ること。その様子を映像で流しながら、介護職員の覚悟や夢が語られた。

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