霞ヶ関主導のAI研究所は本当に必要か〜90億もの「予算消化ありき」のやり方に異議あり!

文部科学省が2016年度に新設する予定のAI研究所。その初代所長に誰が就任するかを巡って、今、AI研究者らが気を揉んでいるという。

が、その前に「そもそも、こうした研究所は本当に必要なのか?」という議論も為されるべきではないだろうか。

●"文科省の新設AI研 トップ人事に気をもむ研究者の本音 " 日経BigData, 2015/12/8(http://www.nikkei.com/article/DGXMZO94844710X01C15A2000000/)

「AIPセンター」の特殊な勤務形態

上の記事によれば、文科省が新たに設立する「AIPセンター」は、国内最大級のAI(人工知能)研究拠点となる。

AIPとは「Advanced Integrated Intelligence Platform Project」の略で、同省の主要政策「人工知能/ビッグデータ/IoT/サイバーセキュリティ統合プロジェクト」の中核となる。これに向けて文科省は90億円の予算を要求しているという。

AIPセンターの研究員には常勤の研究者に加え、東京大学や京都大学をはじめ各地の大学から「クロスアポイント制度」なるものに従って、一種の客員研究員を確保する。彼らは週の1日はAIPセンターに勤務し、残り4日は所属する大学に勤務するという。

筆者は以上のような試みを頭ごなしに否定するつもりは毛頭ない。実際、AIの研究開発では日本はグーグルやIBM、マイクロソフトをはじめとする米IT企業に後れをとっている。これに対してキャッチアップを図るとともに、日本の新たな基幹産業を育てるためにも、官学共同で新たな取り組みを開始しようという主張は、それなりに筋が通っている。