賢者の知恵
2015年12月11日(金) 森田浩之

流行語大賞はもう限界!?
「本当の流行」はグーグルが教えてくれる

今年の検索語No.1はあの言葉

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「爆買い」は今年の流行語大賞に選ばれた〔PHOTO〕gettyimages

文/森田浩之(ジャーナリスト)

年末恒例の「新語・流行語大賞」が、今回ほど批判を受けたことはなかっただろう。「それって流行語?」という突っ込みも含めて楽しめるのが、このイベントの魅力なのかもしれない。けれども、今年の反応から感じたのは「期待しすぎ」ということだ。このイベントは、これからもう少し権威を失って、いわば「紅白歌合戦」化してほしい。

今年の大賞は「トリプルスリー」と「爆買い」だった。「トリプルスリー」についてのネット上での反応は──

〈「トリプルスリー」って何?〉
〈「トリプルスリー」、知らない〉
〈「トリプルスリー」、流行語じゃないし〉

と、そもそも認知度に大きな問題があったことを示していた。

それに比べて「爆買い」はまだ知られていたようだが、

〈実際にその言葉を口にしている人はいるの?〉
〈あれは新語というより、現象だろ〉

といった突っ込みが見られた。

一方で「トップテン」に「アベ政治を許さない」と「SEALDs」が入ったことで、審査員の「政治的偏向」を指摘する声があふれた。

SEALDs〔PHOTO〕gettyimages

権威をうまく失った『紅白』は最高のお手本

突っ込みどころがありすぎた今回の賞だったのだが、人々はこのイベントを「大きくとらえすぎ」なのだろうと思う。今どき、ひとつやふたつの言葉によって、ニッポンの一年を象徴させることなんてできない。しかも価値観が細分化された今、誰もが納得する形でそれをやるなど、とうてい無理な話だ。

同じ年末恒例の行事である『NHK紅白歌合戦』には、ずいぶん前から誰も過度に期待しなくなっている。ひと昔前なら確かに権威のある番組で、歌手にとっても出演すること自体が勲章だったろう。最盛期には視聴率が80%を超えていた。

見る側もどことなく、いや、明確に緊張していたと思う。僕が子どものころには、まだ大みそかには一家でテレビを見ながら年を越すものだという雰囲気があったし、それは『紅白』を見ることを意味した。

そのころ『紅白』は、今と違って夜9時に始まっていた。その前には『輝く!日本レコード大賞』が、確か夜7時から9時前まで流れた。『レコ大』の行われている帝国劇場から渋谷のNHKホールまで、歌手のみなさんは間に合うように移動できるのだろうかと、子ども心にハラハラしていた記憶がある。

小学生のころ、『紅白』の出場歌手はどうやって決まるのかと母に尋ねたことがある。母はきちんと、こう答えてくれた。「その人の歌がいいと評価された歌手が出られるんだよ」。

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