本を読みながら死ねたらいい!? ~読書こそ真のエンターテインメント、究極の"一人遊び"である
島地勝彦×黒鉄ヒロシ 【第2回】

撮影:立木義浩

第1回【龍馬の死因は「礼儀作法」だった!?

シマジ 黒鉄さんは独学で歴史を勉強されていますよね。

黒鉄 はい、この歳になってやっと気付いたんです。勉強は遊びであり、遊びは勉強だということが。

シマジ わたしもそう思いますね。なぜもう少し早く気がつかなかったのかな。

黒鉄 つくづく順番は逆のほうがよかったと思うんですよ。仲間に東大法学部を出たり医者になったりしたのがいっぱいいますが、彼らはみんな、先に勉強をやってから後で遊ぶ。シマジさんもそうでしょうが、ぼくなんかは遊んでから勉強しようと。だけど、よくよく考えてみると、そのほうがうまく行くみたいですね。

シマジ うまく行くし、結局、人生は一生勉強なんだと思います。

黒鉄 勉強を先にやると、頭が固まっちゃうんですよ。フォームというか、価値観というか、応用が利かない。なにかあるとすぐに「絶対これだ!」っていいはじめるでしょう。

シマジ ええ。とかく頑固になってしまっていますね。

黒鉄 そう、やたら頑固。

シマジ 勉強は独学で、しかも晩学のほうがいいんじゃないですか。

黒鉄 何かについて知りたいと思ったときに、全部は知れないということに気づくわけですよ。ところが自信満々のやつらって、全部わかると思い込んでいるのが高上がりで、あれは失敗のモトですなあ。

ヒノ とくにお二人ぐらいの年齢になると、本を読める量もおのずと限られてくるわけですしね。

黒鉄 この前、阿川弘之さんが亡くなられたでしょう。8月3日、ぼくの誕生日に死んじゃって。彼は本を読みながら死んだらしいですよ。エライ!

別に本を読んでなにかしようということじゃないんです。いまさら知識の獲得のためでもない。読書が本当のエンターテインメントになっているわけです。

考えてみると、ほかには何もないんですよ。若いうちは友人と会ったり、姐ちゃんと会ったりしますけど、歳をとって一人になると、先ほどもいいましたが、“一人遊び”の名人になるというか、自分で自分と遊ぶしかないんです。