コービー、今季限りで引退
〜NBA2015-16シーズン、3つの見どころ

文/杉浦大介

 NBAの2015-16シーズンは早くも最初の1ヵ月強が終了した。各チームが16~20戦をプレーし、今季の趨勢が少しずつ見えてきている。

 今シーズンも順調なスタートを切った両カンファレンスの昨季王者は、このまま順調に勝ち続けるのか。大きく躍進を果たすチーム、選手は出てくるのか。今回は序盤戦の戦いを振り返りながら、NBAの今後の行方を占っていきたい。

王者ウォリアーズ追う3チーム

 昨季に40年ぶりのファイナル制覇を果たしたゴールデンステイト・ウォリアーズは、今季も圧倒的な強さで序盤戦を駆け抜けている。

 12月2日の時点でなんと無傷の20連勝。開幕からの連勝記録を軽々と更新し、2シーズン越しの勢いは止まるところを知らない。

(ウォリアーズのエース、カリーは3点シュート成功数のシーズン記録を軽々と更新するペースで決め続けている Photo By Gemini Keez)

“史上最高のシューター”と呼ばれるようになったエースのステファン・カリーは、昨季~今季の間にさらに成長した感がある。2年連続MVPの候補にも挙げられる大黒柱を軸に、得点力はリーグ1位を誇るウォリアーズ。最初の20勝の平均得点差は15.4と、多くのゲームで大差をつけて悠々と勝ち抜いている。

「周囲の強豪チームはウォリアーズの支配力が衰えるのを待つしかない。その驚くべき強さは他チームの幹部たちの間でも話題になっている」

 ESPN.comのザック・ロウ記者はそう語っていたが、実際に大きなケガ人が出ない限り、シーズンのリーグ最高勝率を勝ち取る可能性は高い。少し気が早いが、来春のプレーオフでも優勝候補の筆頭と目されることになるのだろう。

 ただ、だからと言って、現時点でウォリアーズが連覇の大本命だと言い切ってしまうつもりはない。最大のライバルになりそうなサンアントニオ・スパーズ(16勝4敗)、怪物レブロン・ジェームスに率いられたクリーブランド・キャバリアーズ(13勝5敗)もそれぞれ好スタートを切っているからだ。

 ティム・ダンカン、トニー・パーカー、ラマーカス・オルドリッジといったベテランの中軸に加え、カワイ・レナードが新エースとして台頭したスパーズの底力は脅威。去年のファイナルでウォリアーズに敗れたキャバリアーズも、現ロースターが2シーズン目を迎え、チームとしての成熟度を増してきている。

(去年のファイナルでウォリアーズに敗れたレブロンとキャブズにとって、今季は絶対にリベンジしたいシーズンだ Photo By Gemini Keez)

 また、ケガ人が出たこともあって開幕13戦で6敗を喫したオクラホマシティ・サンダーも、以降の6戦中4勝と徐々にペースを上げてきた。エースのケビン・デュラントが今季限りでFA権を得ることもあって、中盤以降のサンダーはリーグ屈指の注目チームとなっていくはずである。

 ウォリアーズの強さを認めた上でも、昨季王者と遜色ないタレントを揃えたスパーズ、サンダー、キャブズの行方から目を離すべきではない。この3チーム、あるいは他のチームが昨季王者をストップできるかどうか。それこそが2015-16シーズンの最大の見どころと言っていい。そして、序盤戦を見る限り、稀に見るハイレベルの覇権争いが展開されそうな予感も漂ってきている。