賢者の知恵
2015年12月09日(水) 週刊現代

「認知症破産」の衝撃!
~いま、この国で急増中。貯金も資産も認知症介護で底を尽く

週刊現代
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〔PHOTO〕gettyimages

漠然と「いつか来る」と思っていては、持ちこたえられない。「何とかなるだろう」という楽観も、なけなしの老後資金も、簡単に吹き飛ばされる。現実を知ることしか、認知症に立ち向かう術はない。

「認知症1000万人時代」

「疲れた」—。

47歳の娘は、晩秋の朝の冷たい利根川へ、81歳の母と74歳の父を軽自動車に乗せて突っ込んでいった。母の認知症介護、そして生活苦に疲れての一家心中だった。父母は亡くなり、ひとり救助された娘は、冒頭の言葉を漏らした。11月22日、埼玉県深谷市でのことだ。

同日、東京都江東区の都営アパートでは、死後数ヵ月経った81歳と71歳の老兄妹の遺体が見つかった。兄は以前、認知症のような症状を見せていた、と近くの住民が証言している。

認知症そのものが、人命をすぐに奪うわけではない。しかし、認知症は人の暮らしを一変させる。平穏な日々は、二度と帰ってこない。長い介護生活の中で、老後の資金が底を突き、破産や心中に追い込まれる家庭が、現に続出している。

肉親が認知症になったとき、今のところ、とるべき道は4つに限られる。(1)公営の特別養護老人ホーム(特養)に入居する。(2)民営の有料老人ホームか、サービス付き高齢者住宅(サ高住)に入居する。(3)認知症の高齢者が数人で共同生活を送る、グループホームに入居する。(4)在宅で介護する。

どの道を選んでも、それなりの出費は避けられない。だが今後、認知症という「カネ食い虫」から逃れることは、いよいよ難しい。なにしろあと10年で、全国で1000万人超、日本人の10人に1人が認知症とその予備軍になるのだ。

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