雑誌
日本でもテロは必ず起こる!
〜私たちはもう覚悟を決めるしかない

【特別対談】橋爪大三郎×島田裕巳
ISに共鳴する若者は世界中にいる〔PHOTO〕gettyimages

テロリストをあなどるな

島田 テロの実行犯には、若者が多いんですね。'01年のニューヨーク同時多発テロは、主犯格のモハメド・アタが33歳だった。パリのテロも主犯格のアブデルハミド・アバウドが28歳と若いので、おそらく実行犯は皆、活動歴が浅い。だから、彼らが住んでいる下町の周辺、やりやすいところでやった、ということではないでしょうか。公的機関や権力の中枢でテロをするには、より高い組織性と戦略性が必要ですから。

橋爪 でも、精巧な自爆装置付きジャケットが提供されているのをみると、技術も資金も経験もある組織が必ずバックについている。若いテロリストは前衛の下っ端で、もっと大きな背後組織があるのは間違いありません。

また、今回カフェやコンサート会場が標的になったのは、「文化的な場所」だからといわれますが、私がIS(イスラム国)の幹部だったら、イスラム教徒がなるべくいなそうなところを選ぶに決まっています。ロックコンサートにムスリムはいないでしょう。あとは、人が集まるところならどこでもいい。そういう視点で、テロの標的が選ばれているのではないでしょうか。

島田 今回のテロの原因を、格差や貧困に求める向きもありますが、そんな次元の話ではないでしょうね。テロの実行犯は、オウム真理教のときもそうでしたが、決して貧しくないし無学でもない。人的・物的・金銭的な基盤と能力がないとできないわけですから。それよりも、今の世の中の状況が、彼らの目にどう映っているのか、ということを知るのが重要です。

橋爪 '13年4月にボストンマラソン爆破事件を起こした兄弟も、アメリカで普通に生活していました。彼らは故郷のチェチェンでロシアに圧迫され、アメリカへ逃れてきた家族の子供たちです。本来はロシアを恨んで当然ですが、それがいつの間にか「アメリカ憎し」の感情に変わっていった。マイノリティの感受性豊かな若者が、急に過激化するというパターンが、世界中で増えています。

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