菅政権はあてにならない。
被災地の知事、国会議員が団結し
復興のための「被災地会議」を開け

2次補正先送りは「政治災害」だ
円相場はこのところ、1ドル=80円前後で推移している。                            〔PHOTO〕gettyimages

 東日本大震災の被災地と福島第一原発事故の進展にしばらく目を奪われていたが、日本経済の先行きが心配になってきた。円高が進む一方、肝心の復興対策を盛り込むはずの第二次補正予算の編成が8月以降に先送りされてしまったからだ。

 円相場はこのところ、1ドル=80円前後で推移している。震災で日本経済が大打撃を受けたというのに、なぜ円高なのか。市場では「米国経済の先行き不透明感が原因」などと解説されているが、もう一つ、合点がいかない。為替相場は短期ではどちらに振れるか分からない「ランダムウォーク」なので、もともと正解はないのだが。

 円高が日本経済に目先、打撃を与えるのはたしかである。それでなくても、自動車など輸出製造業は震災で生産が大幅ダウンしており、円高は二重のボディブローになるだろう。

2次補正は先送りで執行は冬になる

 なにより、政府の対応がひどい。

 菅直人政権は第一次補正予算を成立させた後、本格的な二次補正をすると思っていたら、ゴールデンウィークの間に先送り方針を固めてしまった。当初は今国会中に1次、2次と切れ目なく対策を打つはずだったのに、これは、どういうわけか。

 ようするに、菅政権は与野党激突の火種になるような案件をできるだけ先送りしたい、ということだろう。20兆円規模に上る補正となれば、中身だけでなく財源も焦点になる。菅政権と財務省の本音は増税であり、復興増税を真正面から議論するには、政権側の準備も野党との水面下の話し合いも整っていない。

 そんな中で議論が沸騰すれば、国会を大幅に会期延長せざるをえなくなる。すると、与野党に広がっている政権批判に火をつけて、倒閣運動が燃え盛ってしまいかねない。それを避けるためには、できるだけ早く国会を閉じるに限る。そう判断したようだ。

 目下の最重要課題が被災地復興であるのは議論の余地がない。にもかかわらず、政権延命のために2次補正を先送りするとは「政治」を放棄したも同然ではないか。

 永田町には「いま倒閣に動けば政治空白を招く」という声もあったが、こうなると話は逆だ。復興対策をやろうとしない菅政権が続くほうが、よほど「政治空白」である。

 もしも2次補正を決めないまま国会を閉じるとなると、次はいつになるのか。民主党は8月下旬にも臨時国会を開くような話をしているが、それもどうなるか分からない。

 なんだかんだと先送りされ、2次補正が決まったところで実際に執行されるのは冬(!)になる事態さえ考えられる。それまで被災地の人々は待っていられるだろうか。とんでもない話である。

 国会会期末の6月22日まで、まだ1ヵ月以上もある。自民党は独自の2次補正案をまとめる方針だ。いずれ、このままではすまない。復興対策をどうするか、政局絡みで国会で議論が始まるだろう。

 復興対策の遅れは、もちろん日本経済にとってよくない。被災地にとっては、震災に加えて「無策による政治災害」という二重の打撃を被る形になる。

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