韓国、台湾、香港に完敗!
ビジネス環境ランキングに見る日本の無策

アベノミクス「成長戦略」の失敗
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空虚な「日本再興戦略」

2013年6月14日に発表された「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」を覚えておられるだろうか。鳴り物入りで発表された安倍政権最初の「成長戦略」だ。

その中で、「日本産業再興プラン」と銘打たれたアクションプログラムの6本柱の一つ、「立地競争力の更なる強化」の項には、「第一歩として、2020年までに、世界銀行のビジネス環境ランキングで日本が現在の先進国15位から3位以内に入ること」という目標が掲げられた。

ところが、実際には惨憺たる状況だ。順位は安倍政権発足2ヵ月前発表の24位('13年版)から27位('14年版)、29位('15年版)、そして最近発表された2016年版では189ヵ国・地域中34位と下がり続けている。

さらに、おかしなことがある。それは、世銀の発表では世界全体189ヵ国・地域中の順位なのに、安倍政権は「先進国中」3位という順位を勝手に作って目標としていることである。

今や世界の立地競争は、先進国間だけでの問題ではない。企業は、途上国も含め、最適な場所に立地するという行動を強めている。「先進国中3位」という目標の立て方がおかしいのだ。

そこには安倍政権の姑息な思惑がある。現状の世界34位から3位を目指すことなど無理に決まっている。だが、目標が世界全体で20位などというのは恥ずかし過ぎる。そこで、先進国だけに限定して、少しでも順位を高く見せようとしたのだ。

しかし、現実は厳しい。今年の世界全体のランキングでは、1位シンガポール、4位韓国、5位香港、11位台湾、18位マレーシアとアジア諸国・地域が日本よりもはるか上に並ぶ。

ちなみに中国は84位だが、ロシアは2011年の120位から今回は51位まで急速に順位を上げ、日本の背中に迫る。総合得点では、日本は昨年と同じだが、順位は大きく下がった。周りの国は努力して前進しているのに日本は現状維持なので、どんどん追い越されている。

また、日本の順位が低いのは、安倍政権の企業に対する姿勢にも原因がある。政府が常に力を入れるのは経団連に加盟する大企業の支援などが中心で、世界銀行がランク付けにあたって重視するニュービジネスの起業や中小企業の事業環境整備への支援には無策が続いている。これでは順位が上がるはずがない。