賢者の知恵
2015年12月01日(火) 藤岡雅

この国からマンション偽装がなくならない理由~「姉歯事件」から10年。ヒューザー元社長が国交省の「大罪」を告発する!

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【PHOTO】gettyimages

なぜ欠陥マンションが生まれるのか

一級建築士による構造計算書の偽造事件、いわゆる〝姉歯事件″から、ちょうど10年が経過しました。そんな年にまたもやマンションの欠陥問題が世の中で大騒ぎになるとは、因縁めいたものを感じずにはいられません。

あの事件以降、マンション業界は大きく様変わりしました。中堅デベロッパーであった私たちヒューザーは破たんしてしまったため、耐震偽装されたマンションの住民の方々に、補修や建て替えなど十分な補償をすることができませんでした。

そのため、「中堅デベロッパーでは安心できない」「やはり大手デベロッパーが安心なのだ」という価値観が広がった。そこに、旧財閥系の三菱、三井、住友といった大手不動産会社が次々と新築マンションを建築・販売していきました。

しかし先月、三井不動産レジデンシャルが販売した横浜市都筑区のマンションが傾き、杭打ち施工業者の旭化成建材による数多のデータ改竄が発覚しました。昨年も、住友不動産が販売し、熊谷組が施工した横浜市西区のマンションが傾く事件が起きています。

もはや大手であっても、構造欠陥からは逃れられないことは明らかです。業界の様相は変われども、欠陥マンションが作られる〝メカニズム″は今も温存され続けているのです。

ヒューザー元社長、小嶋進氏。05年11月、国交省は千葉県の一級建築士が構造計算書を偽造していたことを公表、耐震偽装マンションを販売したヒューザーの社長として渦中の人となった。

小嶋氏は〝消極的″と形容される異例の「詐欺罪」に問われ、有罪判決を受けた(現在、再審請求に向けて準備中)。一方で彼は、この10年間におよぶ係争の過程で、「欠陥マンション」が作られるこの国の悪しき構造に、声を上げ続けてきた人物でもある。

〝安心・安全″と誰もが疑わなかった大手デベロッパー、大手ゼネコンが施工・販売するマンションでも「欠陥マンション」が作られ続けるのはなぜなのか。小嶋氏が、国交省の姿勢を厳しく批判する。

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