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『下町ロケット』のようにはいかない日本のロケット開発の哀しい現状
やっぱりあれは、小説の世界のお話ですか?
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欧米・ロシアとは大きな溝

テレビドラマ化された話題の小説「下町ロケット」のように、中小企業やベンチャー企業が宇宙産業に参入して成長機会を得る時代が来るのだろうか――。

先週(11月24日)、日本製ロケットとして初めて「H2A」が商業衛星を静止軌道に運ぶことに成功、日本は長年の悲願だった「衛星打ち上げビジネス」への参入を果たした。

ロケットや衛星、探査船の製造と打ち上げ、運用、そして宇宙旅行のようなサービス業まで含めた宇宙産業は今後、市場の売り上げ規模や関連部門の雇用が大きく拡大すると期待される成長産業だ。

日本は、小惑星探査機「はやぶさ」が地球の重力圏外にある天体に着陸してサンプルを採取して帰還する快挙によって技術力に関し一定の評価を得ているものの、今回のような打ち上げビジネスを含む宇宙の商用利用では後れをとっている。

なぜ、欧米やロシアに大きく水をあけられてしまったのか。原因と、現状を打開する方策を探ってみよう。

言うまでもなく、宇宙産業は代表的な成長産業のひとつだ。米国の「宇宙財団」がまとめた「スペースレポート2014」によると、2013年の世界の宇宙産業の売上高は、前年比で4.0%拡大して、3141億7000万ドル(1㌦=120円で換算すると、約37兆7700億円)に達した。

今後も途上国や途上国企業が経済力を付けて、様々な宇宙ビジネスが増えていくと見込まれている。

日本は、お家芸の自動車産業とは対照的に、宇宙産業で高い競争力を保持しているとは言い難い。FAA(米連邦航空局)の「商業宇宙輸送年次報告」をみると、2013年に世界で81件の衛星打ち上げがあったが、このうち日本はわずか3件、シェアにして3.7%しか獲得できていない。そして、3件すべてが非商用目的の打ち上げだった。

この分野のトップは32件(世界シェア39.5%)のロシアだ。以下、2位に19件の米国(同23.4%)、3位に15件の中国(同18.5%)、4位に7件のヨーロッパ(同8.6%)と続く。日本と同じ3件で、同率5位にはインドが並び、7位には1件の韓国(シェア1.2%)が顔を出した。

打ち上げビジネスと同じ輸送機器関連ビジネスである自動車産業では、日本メーカーが30%を超える世界シェアを握っているのと対照的だ。