悪徳業者に気をつけろ!
危ない老人ホームの見分け方

〔photo〕gettyimages

目に見えない虐待が増加

東京都北部の市街地。本誌記者が見学のために、とある医療法人が運営している施設(サービス付き高齢者向け住宅)に足を踏み入れた瞬間、イヤな予感がした。

建物全体の空気がよどんでいるようで、まるで活気がないのだ。それどころか、昼食を取るために食堂に集まった老人たちの顔には怒気が浮かんでいるように見えた。

皆、なにか不満を抱えているのだろう。トイレを借りると、とても掃除が行き届いているとは言えないありさま。さすがに見学者を前にして、入居者を邪険に扱うような職員はいなかったが、こんな施設に入りたいとは到底、思えなかった。

有料老人ホーム情報館館長の安藤滉邦氏は「見学で施設を訪れたときの空気感が大切」と語る。

「建物が新しくて綺麗かどうかという意味ではなく、なんとなく明るいなとか、ちょっと暗いなといった雰囲気が大切です」

見学のときに注意すべきポイントは他にもある。著書に『介護ビジネスの罠』がある介護・医療ジャーナリストの長岡美代氏が語る。

「食事時に訪問すると、入居者たちの様子がよくわかります。例えば、歩く力があるのに車椅子に乗せられている人が多い施設は、自立を支援しようとする姿勢がないので要注意です」

職員の数が足りておらず、管理する側の都合でホームが運営されているとなると、不適切な拘束などの虐待の可能性も出てくる。NPO法人・全国抑制廃止研究会の調査によると、毎日約6万人の高齢者がベッドや車椅子に拘束されているという。