国際・外交
中国の気勢をそぐ「トップセールス」〜この年末、安倍外交はインドで大勝利をおさめる!
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なぜ安倍首相のインド訪問が重要な意味をもつのか

安倍晋三首相は11月29日午後4時、政府専用機でフランスに向けて羽田空港を発つ。30日にパリ郊外のル・ブルジェで開催される国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)首脳会議出席と、12月1日にルクセンブルクを訪問するためである。

同時多発テロのダメージが未だ残るパリ滞在中、安倍首相はオランド仏大統領の他、インドのモディ首相と会談する。また、欧州連合(EU)議長国であり、国連安保理事会非常任国議長国でもあるルクセンブルクではベッテル首相やディ・バルトメロオ国会議長と会談する。

年内の首相外遊は、12月11~13日のインド訪問を残すだけとなった。注目すべきは13日の安倍・モディ会談である。なぜ、重要なのかといえば、安倍成長戦略の象徴のひとつである、対外インフラ輸出の具体的な成果に関わってくるからだ。

日本は今、オールジャパン体制でインドに向けて高速鉄道と原子力発電所の売り込みを図っている。インドは同国最大の都市ムンバイ(旧ボンベイ)~グラジャート州アーメダバード間約500㎞の高速鉄道建設計画を進めている。

中国はインドネシアで日本を破って受注に成功したことで味をしめて、インドでも建設資金“丸抱え”方式で売り込みを図っている。

だが、9割がたインドでの受注は間違いなく、パリでも会談するモディ首相は安倍首相に対し色好い返事をすると見られている。一方の原発売り込みもまた手ごたえがあるようだ。

外務省の杉山晋輔外務審議官が11月初旬にニューデリーを訪れたのをはじめ、山田滝雄国際協力局長は同27日、そして30日には和泉洋人首相補佐官(元国土交通省局長)が最後のダメ押しでインドを訪問する。

受注に成功すれば、安倍首相自らのトップセールスの成果として大々的に喧伝するだろう。マレーシアの総事業費約1兆3000億円の高速鉄道建設計画(クアラルンプール~シンガポール間約350㎞)についても、中国、フランス(TGV=フランス版新幹線)、ドイツ(ICE=ドイツ版新幹線)が自国技術の採用を強く働きかけている。

ところが、マレーシアについてもJR東日本、住友商事、三菱重工の日本連合に相当高い確率で勝算があるというのだ。こちらは、安倍首相と同国のナジブ首相の緊密な関係が効いている。

安倍、ナジブ両首相関係は、実はクアラルンプールで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)+日中韓首脳会談と東アジア首脳会議(EAS・11月21~22日)における両首脳の連携プレーからも理解できる。

首脳会議開催前、外交関係者の間で東アジア首脳会議の議長声明(議長・ナジブ首相)に南シナ海における中国の海上覇権行動批判が盛り込まれるかどうかが最大の関心事であった。

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