知っておきたい子育ての鉄則
〜いつか「私の不幸はお母さんのせいだ!」と言われないために

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とにかく「自分が一番」。世間体が何より大事で、娘の気持ちはおかまいなし―そんな自己愛の強い母親に束縛され続け、大人になっても心に深い傷を負う娘たち。話題の新刊『毒になる母ー自己愛マザーに苦しむ子供』より、”自己愛マザー”の連鎖を断ち切り、上手に離れる方法を教えます。

わが子に「負の遺産」を伝えないために

子を産むことは人生を変える体験だ。第一子が生まれでるとき、あなたは「生涯を通じた母親」の地位に就く。たいていの女性は子をもつ喜びを噛みしめ、さまざまな未来を思い描く。だが、自己愛マザーの娘は容赦ない不安と恐怖につきまとわれる。

そして、あなたは悩む。自分も母と同じように、わが子を「精神的な孤児」にしてしまうのではないか。子どもを損なってしまうのではないか。はたして自分に子どもを育てる資格があるのだろうか、と。

それは、自分が不充分な人間だという執拗な思いこみのせいか、母親としてのスキル不足をじっさいに自覚しているせいかもしれない。あるいは、自分のアイデンティティを確立しきれていないせいだろうか? 理由はともあれ、あなたは現実的な不安を抱えている。

◆マッティは不安がぬぐいきれない。「妊娠ほど皮肉なことはなかった。自分が子どもをほしいかどうかさえ、わからない。母はわたしを精神的、身体的に虐待した。自分もあのおぞましい母みたいになったらどうしようと思うと、怖くてたまらない」

◆カイリーは娘を産んで、過去の思い出がよみがえった。「母とは心が通いあわなかった。母はわたしに見向きもしなかった。自分が受けとれなかったものを娘には、ちゃんと与えたいの。娘が泣くたびに話しかけるわ。『ええ、ルーシー、ちゃんと見てるわよ』って」

◆ミアは語った。「若いころ、わたしは孤独で、惨めさと虚しさから薬物とアルコールにのめりこみました。結婚して家庭をもつことを想像して、よく泣きました。子どもができてからは、さほど虚しく感じません。けれどわたしは、自分が望んだ母親の姿になることで虚しさを埋めているのだと思います」

母親から引きついだ負の遺産をわが子に伝えたい、と願う親はいない。だが、ポジティブな母親のロールモデルを知らないあなたにとって、負の連鎖を断ち切ることはむずかしい。

母親業でまちがいを犯したときも、まずは落ちつこう。あなたが自己愛の特徴を身につけていたとしても、それがそのまま「あなたが自己愛的に行動する」という意味ではない。あなたは変われる。過去のあやまちに気づき、今後のあやまちの可能性に気づき、修正すればいいのだ。