経済・財政
企業への賃上げ要求と内部留保課税は的外れだ! 安倍政権の「反資本主義」的政策がはらむ問題
日本企業は本当に「臆病者の罠」にハマっている?
〔PHOTO〕gettyimages

資本主義の精神に反する直接介入

安倍晋三首相は、11月24日の経済財政諮問会議で、現在、全国平均で798円の最低賃金を引き上げ、最終的には1000円を目指すことを明らかにした。来年以降、約3%の賃上げを企業に要求することになる。

これは、「名目GDP600兆円」という目標に向け、家計所得を押し上げ、消費を促す政策であると位置づけられている。

また、政府与党内では、設備投資を促すために、企業の内部留保に課税する案が浮上している。麻生太郎財務相や菅義偉官房長官は、現時点では内部留保課税には慎重な姿勢だが、全面否定している訳ではない。

菅官房長官は、11月20日の閣議終了後の記者会見で、「そこまでしなければ経済界のマインドが変わらないのか、政策的な議論を深めることが先決だ」と言及した。

このような政府による経済界への賃上げ要求や内部留保課税の動きに対しては、批判的な意見が大勢である。

企業は自由な競争条件の下、自らの経営戦略に基づいた最適な企業行動の結果として、雇用条件や投資計画を決めている。その結果として、現在の賃金や設備投資、及び内部留保が決まっているとすれば、今回の政府の要請は、企業行動を歪め、経済の「死荷重(デッド・ウェイトロス)」を増大させることになりかねない。

また、場合によっては、海外企業を含めた他企業との競争上、不利になるかもしれない。つまり、政府が企業行動に直接介入するのは、資本主義の精神に反しており、このような政策を推進するアベノミクスは「ファシズム経済学」だという批判が多数出ているのが現実である。

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