政治政策

やっぱり橋下市長の国政進出はあるのか?~幹部らの証言から読み解く維新のこれからと残されたナゾ

鈴木 哲夫 プロフィール
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「橋下がいれば、改憲のスピードが進む」

実は、6月14日夜に東京都内のホテルで、安倍首相・菅官房長官の官邸コンビと橋下・松井両氏の4人が密かに会談を行っている。このときの中身についてはなかなか表に出ていないが、安倍首相サイドからの「甘い誘惑」や「両者の協力」などについて入念に話し合われたことは想像に難くない。

「誘惑」とはつまり、橋下氏の国政転身のススメだ。これについては、松井氏が会談の直後に「橋下徹に対する期待感は以前よりも増しているのではないかというエールはいただいた」と、安倍首相が橋下氏の国政転身に期待感を示したことを認めている。

安倍首相は、大阪都構想の住民投票で自民党の地元府連が反対しているにもかかわらず橋下氏への応援メッセージを出したし、菅官房長官は橋下氏と公明党との間に入って、住民投票の日程や方法などについての調整役を買うなどした。

もちろんそれには理由がある。「国会運営や憲法改正で維新の協力を得たい」(首相周辺)からだ。

特に、憲法改正を目指す安倍首相は、衆参で3分の2の賛成を得るために、参議院で維新の力を頼りたいところだ。そんな中で、首相周辺には橋下氏自身の出馬が望ましいという思惑があるという。

「来年の参院選に、人気の高い橋下氏が出馬すればおおさか維新は相当な議席するを獲得するだろう。その理由のひとつとして、次の参院選では投票権が18歳以上に与えれられることがある。

橋下氏は若者の間でも人気があるので、出馬すれば彼らの票も取り込める可能性が高い。おおさか維新が議席を伸ばした上で、さらに改憲に協力してもらうというシナリオは有効だ」(安倍首相側近の一人)

橋下人気を利用しての憲法改正。まさにこれが、安倍首相が会談で「国政転身の誘惑の言葉」をかけた理由と見ていい。

また、松井府知事は元自民党議員である。「今も首から下は自民党」(元みんなの党幹部)と言われ、国政では「親安倍政権、親自民党になるだろう」(前出・府議)との見方は根強い。

また、松井氏らおおさか維新は、前述のように野党再編を邪魔するために「松野氏らとの分党協議などをいつまでもこじらせるのでは」(前出松野系議員)という声もある。

とにかく安倍首相サイドは、今後も来年の参院選までは橋下氏の国政転身待望論を陰に陽に示したり、松井氏との蜜月ぶりを匂わせるだろうと前出の側近は言う。

「安倍首相が橋下氏らへのラブコールを続けていれば、永田町は常に『橋下たちが安倍政権と組むかもしれない』と疑心暗鬼になり、それが野党分断工作にもなる。転身が実現しなくとも、話題にし続けるだけでメリットがある」(同)

一方、気になる橋下氏の国政転出の可能性について、維新府議はこう話す。