自己愛の強い母親が、ムスメを不幸にする!
その「束縛」から逃れる方法

放置すると自分の恋愛にまで悪影響が…
キャリル・マクブライド

母親の自己愛が娘に与える影響

親の慈しみが得られない娘は、自信や安心感がもてず、それらを自分自身で獲得する方法を見つけださなければならない。けれど、なぜ自分が満たされない気持ちなのかがわからない娘にとって、それは容易ではない。

母親が乳児のあらゆる動きや言葉、欲求に応えるとき、そこに信頼と愛情の堅いきずなが結ばれる。子どもは安心して母親に面倒を見てもらい、温かい愛情と承認を受けとる。それが娘に自信をもたらす。

ところが、深い感情をもたない母親は、娘とのあいだにきずなが結べない。母親が子どもに愛情を与えるのは、自分の利益にかなうときだけだ。娘は母親に頼れないことを学ぶ。そして、いつも落ち着かず、見棄てられる不安を感じ、なにかにつけて母親に裏切られるのではないかと思ってしまう。

つぎに紹介するのは、母親の自己愛が娘に与えた驚くべき影響の例だ。ゲイルは子どものころから何度も同じ夢を見てきた。

わたしは花の咲きほこる緑の草地でダンスをしている。向こうに、生気にあふれた美しく真っ白な雌馬がいる。馬はわたしに見向きもせずに草を食んでいる。わたしはリンゴを手に、足取り軽く駆けよる。リンゴを渡したら、馬はきっと喜んでくれ、感謝のいななきをあげるだろうと願いながら。けれど馬は、リンゴを差しだしたわたしを無視し、わたしの肩に邪険に噛みつく。そしてなにごともなかったように、草を食みつづける。

ゲイルは言う。「自分の母親にさえ愛されないとしたら、いったいだれがわたしを愛してくれるというの?」夢のなかの馬はゲイルが乞い願う理想の母親の姿だ。そして、娘を拒絶し、愛情も承認も与えない現実の母親の姿でもある。

セリーナ(三〇歳)は語った。「セラピストと話しているとき、相手の膝に抱きつきたい、カウチに座る彼女のとなりで胎児のように丸くなりたい、この人が自分の母親だと思いたい、という衝動にかられるわ」

自己愛マザーから離れる方法

母性を理想化する文化で生まれ育ったわたしたち自己愛マザーの娘にとって、過去と向きあうことは非常につらい体験だ。たいていの人は、娘を愛さず面倒も見ない母親がいるとは考えないし、当の娘も自分の母親がそのような人間とは信じたくない。

「よい娘はネガティブな感情を否認し、家族や世間の期待どおりに行動するものだ」と教えられる。「母親に否定的な感情をもってはいけない」と。それに、どんな娘も、自分の母親が冷淡で不誠実で自分勝手な人間とは思いたくない。

けれど「自己愛の強い母親は存在する」というつらい事実を認めてはじめて、自己愛マザーの娘は、自分が身につけてきた情緒パターンに取り組むことができる。

勇気を出して過去を見つめ、つぎのような問いに正直に向きあってこそ自分を癒すことができる。

・なぜ、自分は愛されないと感じるのか?
・なぜ、自分は不充分な人間だと感じるのか?
・なぜ、満たされないのか?
・なぜ、自信がもてないのか?

あなたはもっと明るい気持ちで、もっと豊かな人生を送ることができる。母親の自己愛について知れば、あなたは自分を慈しみ、ありのままの自分に自信がもてる。そうすれば、自分の子どもには同じ思いを味わわせずにすむ。

どんな女性も、愛される価値があると感じられて当然だ。自己愛マザーがあなたの人生に与えた影響を理解し、本書で紹介する体験談やアドバイスを支えに、望んでも得られなかった母親の姿を求める気持ちから、あなたが解放されることを切に願っている。

どうか自分を慈しみ、愛してほしい。