自己愛の強い母親が、ムスメを不幸にする!
その「束縛」から逃れる方法

放置すると自分の恋愛にまで悪影響が…
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とにかく「自分が一番」。世間体が何より大事で、娘の気持ちはおかまいなし―そんな自己愛の強い母親に束縛され続け、大人になっても心に深い傷を負う娘たち。自己愛マザーの連鎖を断ち切り、上手に離れる方法を教える書『毒になる母ー自己愛マザーに苦しむ子供』より一部内容を公開します。

「自己愛マザー」に苦しめられる娘

娘がひとりの人間として、あるいは友だちや恋人、妻や母親としての役割を学ぶとき、そのロールモデル=お手本となるのが母親である。そのため、自己愛の強い母親に育てられた娘は、知らず知らずのうちに悪い影響を受けてしまう。

自己愛マザーは、息子よりも娘を、自分を映しだす姿、自己の延長ととらえやすい。娘を「べつのアイデンティティを備えた、自分と別個の存在」とは考えず、娘に自分と同じように行動し、反応するよう求める。母親の愛情と承認を得るために、娘は母親にたいする「正しい」反応方法をつねに見きわめなければならない。

ところが、母親を喜ばせる行動が、そのときどきの母親の身勝手な関心に左右されることが娘にはわからない。ありのままの自分でいて母親に認められない娘は、大人になっても自信がもてない。

幼少期に母親に承認されないと、娘は自分の存在意義が確認できず、「努力しても無駄だ」と学んでしまう。一生懸命、母親と心を通いあわせようとしてそれがかなわないと、母親を喜ばせられない原因は自分にあるのでは、と考える。「自分は愛されるに値しない人間だ」と。そして娘の考えは歪む。

母親との心のつながりを獲得するためには、母親の欲求に応え、母親をつねに喜ばせなければならない。これではもちろん、母親に愛されているという実感は得られない。娘にはほんとうの愛情がわからない。相手を一方的に喜ばせる愛のかたちを学んでしまうと、将来の恋愛関係は歪んでしまう。

自己愛とは?

自己愛=ナルシシズムという言葉は、ギリシャ神話のナルキッソスに由来する。美しく傲慢なナルキッソスは、神から下された罰により自分の姿に恋をした。澄んだ泉の水面に映った自分の姿にうっとりと見入り、自分への愛にとりつかれ、やがてやつれはててスイセンの花となった。ナルシシストとは、自己愛の強い傲慢な人間を指す。

アメリカ精神医学会の『精神疾患の診断・統計マニュアル』(DSM)は、「自己愛性パーソナリティ障害」の特徴をつぎの9つにまとめている。

自己愛の9つの特徴と、母娘関係に表れやすい例を紹介しよう。