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 日本赤十字社に寄せられた東日本大震災義援金は、5月9日の時点で合計1,700億円を超え、企業、著名人等からも多額の寄付が続々と寄せられています。 阪神・淡路大震災の際の総額約1000億円を既に越えており、今回の震災の深刻さを物語っています。
*数値は日本赤十字社受付分(海外の赤十字からの義援金等は除く)同社ホームページより

拡大、進化するオンライン寄付のしくみ

 今回の震災を契機に、日本でもインターネットを利用した様々な寄付の機会を提供するサービスが注目されはじめました。 寄付するだけでなく、ファンドレイザー(寄付を集める人)として寄付を募る旗振り役に回る人が増えていることも、注目すべき点といえます。

 2010年3月にスタートしたオンライン寄付サイト「JustGiving Japan(ジャスト・ギビング・ジャパン)」は、一般財団法人ジャスト・ギビング・ジャパンにより運営されているサービスです (同サイトは2001年に開設、英国に拠点を持つ「JustGiving」の日本版として導入されました。英国では民間営利企業として運営されている「JustGiving」はこれまでに1300万人が利用、約7億ポンド(約920億円)の寄付を集めることに成功しているサービスです)。

 東日本大震災直後には「ジャスト・ギビング・ジャパン」の利用者が一気に広がり、同サイトを通じ、既に6億円以上の寄付が震災復興支援関連団体送られています。この寄付が実現したのは、多くの方がサイト上で寄付を行ったこと、それから3,000人以上のファンドレイザー(同サイトでは「チャレンジャー」という言葉で紹介されています)が、マラソン、登山等、様々なチャレンジをサイト上で宣言することで寄付を募ることを行ったからです。

 寄付は、クレジットカードやネットバンキングを利用して集められます。オンラインの寄付の全額は支援先団体に所定の時期に支払われますが、通常約15%の費用(クレジットカード利用時)が寄付を受け取った各団体の負担として、ジャスト・ギビング・ジャパンに支払われるしくみです。費用の内訳は寄付金額の10%が運営手数料(1%相当分が英国JustGivingへのライセンス費用、9%相当分がシステム運営費、支援先団体のリサーチ費および事務局運営費)、そして、決済手段により異なりますが、金融機関決済手数料が、クレジットカード利用時の場合約5%となっています。

 同サイト内で寄付対象となる支援先団体数は現在400団体を超え、少しずつではありますが、欧米に近いオンライン寄付文化の土壌・インフラが生まれ、発展しつつあります。

 「ファンドレイジング」[寄付(fund)を募ること(raising)]という言葉は日本では、まだ馴染みはないかもしれません。一般的にはNPOなどが事業に必要な資金を社会から集める手段のことを指します。ファンドレイジング協会常務理事の 鵜尾雅隆氏の著書『ファンドレイジングが社会を変える』(2009年4月 三一書房)によると、ファンドレイジングとは、『「施しをお願いする行為」ではなく、社会に「共感」してもらい、自らの団体の持つ「解決策」を理解してもらう行為である』、と記されています。

 インターネットの利用が広まり、自分が共感するNPOやチャリティを支援し、寄付を募ることが容易になりつつある中で、寄付の旗振り役としてのファンドレイザーの役割にも注目が集まりつつあります。

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