「強いワセダ」はどこへ行った?
〜名門・早大ラグビー部が衰退したワケ

五郎丸「ひたむきさが見えない。プライドが足りない」
世界の修羅場をくぐった男の愛のムチには、説得力がある〔PHOTO〕gettyimages

「どうなっているんだ!」。あるOBは、対抗戦最多失点を喫した帝京大戦の途中にテレビのスイッチを切った。最後の大学日本一からわずか7シーズン。なぜ名門はあっけなく転落したのか。

ひたむきさが足りない

今やメディアで顔を見ない日がない「時の人」が、この時間だけは自分のために確保していた。ラグビー日本代表の五郎丸歩(29歳、ヤマハ発動機)は11月1日、関東大学対抗戦の早稲田大学-帝京大学戦の開始時刻に、チャンネルをあわせた。早大OBとして、後輩の試合が気になったからだ。

しかし、束の間の休息に見た母校の赤黒ジャージーは、大学選手権6連覇中の王者・帝京大に14トライを奪われ、92失点。創部史上、対抗戦最多失点の惨敗だった。五郎丸の悔しさは、やがて怒りに変わった。

「今のワセダにほとんど関われていないので大きなことは言えません。ただ、率直な思いとしてはひたむきさがまったく見えない。プライドが足りないと感じました。他大学との環境の違いなど理由にしてはいけない。

日本代表として戦った僕らも、世界に認められていないところから必死に色々な要素を鍛え上げて、世界で一番の番狂わせを起こせた。国内リーグ、ましてや大学同士の戦いです。本当に必死にやれば、必ず活路は見出せるはず。一人一人が、もっともっと、必死に努力する必要があると思います」

五郎丸は早大時代、4年間で3度の大学日本一を経験。4年のとき、前年に逃した日本一を取り戻すため、危機感を募らせながら過ごしていた。

「もし2年続けて負けたら、ワセダは、勝てなくなるかもしれない」