野球
二宮清純「掛布雅之『3人の打撃の師』を語る」

ベースとなった中西打撃理論

 元ミスター・タイガース掛布雅之さんを2軍監督に任命したことは、阪神球団の”ヒット人事“といっていいでしょう。自分の子供よりも若い選手たちをどう育てるか。興味が湧きます。

 立場上は「監督」ですが、バッター育成中心の指導になりそうです。掛布さんの性格からしてピッチャーのことはピッチングコーチに任せるのではないでしょうか。

 掛布さんは1974年、ドラフト6位で阪神に入団しました。2年目に106試合に出場、3年目には122試合で打率3割2分5厘、27本塁打を記録するわけですから“大出世”といっていいでしょう。

 その掛布さんは印象に残る打撃コーチとして中西太さん、山内一弘さん、遠井吾郎さんの名前をあげました。

 西鉄黄金期の主砲・中西さんの打撃理論、技術指導には定評があります。持論はこうです。

「内転筋をまず鍛えなければいけない。打つ時の力のバランスは後ろ足が60%で前足が40%。軸足にためたエネルギーを前足に移動させるためには、うまく内転筋の力を利用しなければならない」

 右と左の違いはありますが、掛布さんの解説を聞いていると中西理論がベースになっていることがよくわかります。