VR
「仮想現実(VR)」が“再び”ブームに!
~高級ヘッドセットから段ボール箱まで、新端末に見る進化と懸念

ソニー、グーグル、フェイスブックも参入
パリの「ゲーム・ウィーク2015」で”Playstation VR”を体験する来場者 〔PHOTO〕gettyimages

「仮想現実(VR: Virtual Reality)」が久しぶりに活況を呈している。仮想現実とは、CG(コンピュータ・グラフィクス)で作り出した3D映像などにユーザーが没入し、よりリアルなゲーム体験などを楽しむための技術だ。

ここ数年、ソニー、マイクロソフト、さらにはグーグルやフェイスブックなどが次々とVR用の新端末(HMD)を開発したり、ベンチャー企業を買収するなどして、この分野への参入を図っている。

また先日、米ニューヨーク・タイムズ紙がスマートフォン向けのVRアプリをリリースするなど、ジャーナリズムやコンテンツの業界でも新たな表現形式として注目を浴びつつある。

今回のブームは本物なのか?

VRの歴史は、1960年代に米ユタ大学で開発された「HMD(ヘッド・マウント・ディスプレイ)」まで遡る。

HMDとはユーザーの頭部に装着するゴーグル型の端末だ。これは「両眼視差」、つまり左右の目に僅かにずれた映像を投射することによって、奥行のある3D映像を実現できる(この方式は現在に至るまでVRの主流となっている)。

VRはその後、何度も商品化が図られ、特に1990年代には世界的なブームが巻き起こるかに見えた。が、結局、製品つまりビジネスとしてブレークすることはなく、やがて下火になった。

その主な理由は、当時のVRが「仮想現実」と呼ぶには、あまりにもお粗末な利用体験しか提供できなかったからだ。つまりHMDに搭載されたプロセッサやモーション・センサーの処理能力の限界から、それらが作り出す3D映像は全く現実感に欠け、動きも極端に鈍かった。

それから20年以上が経過した現在、ソニーなど主要メーカーや(2013年にフェイスブックに買収された)米Oculusなど気鋭のベンチャー企業らが製品化した最新鋭のVRは、90年代のそれとは比較にならないほど性能が向上した。昨今のビデオ・ゲーム産業がもたらした高精細のCGや各種ハードウエア技術の発達によって、最新のHMDが描き出す3D映像は息を呑むほどリアルで、動きも滑らかだ。

マイクロソフトが発表した"HoloLens" 〔PHOTO〕gettyimages

たとえば冒頭で紹介したソニーやマイクロソフト、さらにはフェイスブック傘下のOculusらが発売予定のVR端末(HMD)などが、それに当たる。ただし、それら高級端末は当然ながら、とても高い。

いずれも現時点で小売価格は未定だが、既にソフト開発者向けに提供された各社HMDの製造価格は350ドル(約4万円)~950ドル(約12万円)と言われる。小売価格は当然、それより高くなるため、相当な高級商品になる見込みだ。

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