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愛車で目指せ「20年20万km」
長~く走るためのメンテナンス術と事例を大公開!

(左)一般保証 (右)特別保証

クルマは機械、メンテナンスなしで乗り続けることはできない。ならば20年20万kmどうすれば愛車に乗り続けることができるのか。メンテのコツをご紹介。

新車登録から13年以上たったクルマは特別に自動車税と重量税をアップさせますよ、なんていう馬鹿げた法律がある我が国ニッポン。こんな法律ができるからクルマ文化が育たない。

海外では古いクルマを大切に乗る文化がしっかり根付いているんだから、日本人もこれからは愛車に末永く乗ることを提案したい。そこで、この企画では、20年、走行距離20万kmを想定して、どうすれば長く愛車に乗り続けることができるのか考える。

まずテレビや電気製品に保証期間があるように、高額なクルマにも当然保証期間がある。ただし電気製品と違うのは、保証が2段階に分かれていること。クルマの場合、国産メーカーならどのメーカーも同じように、一般保証と特別保証の2段階方式となっている。

一般保証とはエアコンが壊れた、ラジオが壊れたといった故障に対処するもので、これは3年、あるいは走行距離6万kmまで保証(どちらか早く到達したもの)。いっぽう特別保証とは、走ることに関する重要部品、具体的にはエンジン、ミッション、ブレーキといったもの。

こちらの重要部品は5年、あるいは走行距離10万kmまで保証が受けられる。ということはそれ以上のメーカー保証はないということ。そして輸入車に関しては特別保証の枠がなく、エンジンなどの重要部品においても無償の保証は3年間のみ(有償なら延長アリ)。

実際筆者も某ドイツ車に乗っていて保証が切れた5年目にしてATに水が浸入してミッション載せ替え、百万円以上の修理代を支払ったことがある(その時の衝撃はいまだも忘れない。乗るなら国産車だな~と強く思ったのでした)。

ひとつの山は10年10万kmでやってくる
エンジン系のメンテナンス

20年20万kmメンテナンス、まずはじめは最も重要なエンジンから。本誌読者なら日頃からオイル交換についてはきちんとメンテナンスしていると思うけど、距離を目安にすること以外に、使用期間も考えたい。

目安は走行5000km、あるいは6カ月に一度。年間3000kmくらいしか走らないという場合でも半年経ったら取り替える。その理由は、オイルは空気中の水分を取り込んで劣化するからだ。また高級なオイルを使用することより、まめなサイクルで交換することが大切。

エンジンメンテの基本はキチンとしたオイル管理

オイルフィルターはオイル交換2回に一度交換すればOKだろう。そのほか油脂類では、クーラント、ブレーキフルード、パワステオイルなどがあるが、その交換サイクルは左の表を参考にしてほしい。これらはもはや定期交換の項目と思っていただきたい。

さて、本番はここから。20年20万kmを目指すなら、かなりの確率で見舞われるトラブルがいくつかある。

まず「最近エンジンのパワーがなくなってきたな~」と思ったら、まずチェックしたいのが電気系。具体的にはプラグとプラグコードだ。高価な白金プラグなら10万kmは持ってしまうが、一般的なプラグなら5万kmを超えたところでチェックしたい。電極が摩耗してチビくなってきたら交換。ま、以上は一般的な話だが、エンジンの形式、搭載方法などにもより電極のチビリも違うので、早めにチェックするのが賢い方法。

こちらがクーラントを循環させるウォーターポンプ。ポンプのペラ自体が単純な形状だが、内部のベアリングが長期間の使用でダメになる

同時にダイレクトイグニッションではない、プラグコードを持つクルマなら、そのプラグコードもチェック。10万kmくらい走ると、プラグコードが劣化して電気がリークすることもあるので、コードの表面を見てひび割れなどがある場合は即交換だ。

オルタネーターやエアコンのコンプレッサを回すベルト類も長期間の使用で劣化する(これらゴム類はオゾンに接触することでも劣化する)。劣化するとプーリーに接している面がひび割れてくるので、こちらも大事に至る前に交換した方がいい。ボンネットを開けて上から見るくらいじゃわからないので、懐中電灯を片手にエンジンルームに乗り込むくらいの姿勢で確認する必要ありだ。

同じゴムでできたラジエターホースも同様に劣化する。こちらの場合は、10万kmを目安に交換した方が破裂の危険性を回避できる。

空気に触れても固着しないエアコンにやさしいノンポリマータイプのAC LEAK STOP。実売価格は8000円前後から

さて、メカニカル系で悪くなっていくのが、サーモスタット、オルタネーター、フューエルインジェクター、エアコンのコンプレッサー、タイミングチェーンテンショナー、そしてウォーターポンプあたりだろう。

サーモスタットは10万kmあたりからシャフトの動きが渋くなって水温を一定に保てなくなる。いままでと水温計の動きがおかしいと思ったら交換してしまうのがテ。国産車の場合、パーツ代は2000~3000円ほどなので出費も少ない。

いっぽうオルタネーターの劣化は、内部のカーボンブラシだ。このブラシが長期間使うと摩耗していくので10万~15万km目安で交換するといい。アッシー交換が一般的。

ベルト類はひび割れが裏側に見られたら交換だ

そしてエンジン内部にクーラントを循環させるウォーターポンプも10万kmを超えたあたりから劣化してくる。ウォーターポンプの場合、ダメになるのは内部のベアリングで、ベアリングがダメになるとポンプ本体からガラガラ音がし出すので、誰でも気がつくはず。

特に輸入車の場合はウォーターポンプは消耗品と考えておいた方がいい、確実に国産車より早くダメになる。ウォーターポンプの交換はクーラントを抜く必要があるので、ラジエターホースなどの交換をまとめてやってしまうのが賢い方法。

エアコンはコンプレッサー自体がダメになる前に、ガス抜けが始まるので、毎年夏前にガスを補充しないと冷えないという人は、とりあえずエアコンガス漏れ止め剤を使ってみるといい。

ちょっと前のエアコンガス漏れ止め剤は、メカ部分を傷めるものが多かったが、最近は無害の漏れ止め剤も発売されているので、使ってみるといい。

そして最近のほとんどのクルマに使われているフューエルインジェクターも10万~15万kmあたりからトラブル発生の危険性あり。

このフューエルインジェクターの場合、燃料が上手く回らなかったり1気筒死んでしまうようなことになるので、メカニカル部分がダメになった場合は交換しかないが、少しでもトラブルの危険性を下げたいなら、定期的にインジェクター内部をきれいにしてくれるケミカルを使うのもテ。上手くすれば20万km、ノントラブルで乗り切ることができるかも。

フューエル系でもうひとつチェックしておきたいのがフューエルフィルターだ。メーカーによっては交換指定がされていない場合もあるが、エンジンの調子がイマイチなんて時には一度チェックしていいパーツといえる。詰まっていそうなら即交換。

そしてオーバーヘッドのカムを動かすカムチェーン、タイミングベルトも20万km乗るとしたら10万km前後が交換の目安。

タイミングベルトは先に紹介したベルトと同じように内部に金属コードが入ったゴム製のベルトだが、この場合は交換する。カムをチェーンで動かしている構造のクルマなら、そのチェーンがダメになるというよりも、テンショナーの動きが悪くなり、エンジンから「シャーシャー、ジャージャー」音が出るようになるので、その場合はエンジンの一部をバラしてチェーンテンショナーの調整あるいは交換が必要。

その場合はクルマにもよるが、エンジンを下ろす必要もあるので、出費は大。どうせエンジンを下ろすならそのほか、エンジンマウント交換などまとめていろいろやった方がお得だ。他にもパワステオイル、バッテリーなども要チェックです。

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