NHKが「受信料義務化」の前にやるべきこと〜低視聴率でも「質が高い」と居直っている場合か
NHK公式ホームページより

不公平な「受信料」

国民の三大義務といえば、「教育」「勤労」「納税」。これに「NHK受信料の支払い」が新たな義務として加わろうとしている。

「教育や勤労、納税と受信料を同列化するのはオーバー」という声もあるに違いないが、本当にそうだろうか? 受信料の負担感は税金以上に重いかもしれない。

税金を支払っていると、思想や信条を一切問われず、数々の公共サービスが受けられる。ところが、受信料が義務化されると、「NHKは偏向しているから嫌い」という人はもちろん、「つまらないから一切見ない」という人にすら、同一料金の支払いが求められる。むしろ税金より割高かもしれない。

そもそも受信料は摩訶不思議な料金なのだ。たとえば、電気料金の場合、電化製品を持っているだけで支払いを要求されることはない。その電化製品を使わないかもしれないし、自家発電で賄う方法もあるのだから。だが、受信料はテレビが見られる環境下にあるというだけで、支払いを求められる。

電気代は使用量によって違う。従量制だ。水道やガスなどもそう。ところが、NHKの場合は1日に10時間以上見る人もまったく見ない人も料金は同じ。基本的には、独居世帯も大家族も変わらず、テレビを何台持っていようが均一。究極の固定制である。

これでは公平とは言えない。今回の受信料義務化案については「受信料の公平負担のため」という名目があるが、受信料は最初から不公平な制度なのである。

そんなこともあり、放送法上ではNHKと視聴者の間に受信契約の締結義務があるものの、事実上は両者の信頼関係の上に受信料制度が成立していた。1964年に出された臨時放送関係法制調査会の答申においても「受信料とは、NHKの維持運営のため、法律によってNHKに徴収権の認められた特殊な負担金と考えるべきである」とされた。

税金やほかの公共料金とは性質が異なるのだ。だから、支払わなくても罰則がなかった。