ドラッグ密売現場に遭遇!?さらば、ブルース・リー!
~丸山ゴンザレスの「クレイジージャーニー」裏日記②

マンホールの中でなんのためらいもなくドラッグを使う若者たち

麻薬密売の瞬間に遭遇?

「麻薬中毒者の巣窟」といわれるルーマニアのマンホールタウン。その内部に入ることに成功した丸山ゴンザレスは、ついにマンホールタウンのボス、ブルース・リーに取材を敢行する。人気番組『クレイジージャーニー』(TBS系)の舞台裏を描くルポ、その後編をお届けする。

(前編はこちら)

マンホールの取材をいったん区切って外に出た時のことだ。少し離れた場所で、この先どんな取材をすればよいのか、ディレクターと通訳と雑談していた。すると、マンホールに身なりのよい男が3人近づいてくる。

上等なスーツにレザーコート。迫力のある風貌からも只者ではない感が見て取れる。

通訳、そしてディレクターもその男たちの存在に気づいた。異常な状況は察したようで、ディレクターはすぐにカメラを隠した。

路上に注射器が落ちている。ここでは珍しくない光景だ

気づかれないように男たちのほうに目をやると、マンホール住人のひとりが、男たちに何かを受け渡したのが見えた。手慣れた感じで二言三言交わすとすぐに立ち去っていく。まともな取引ではないことは察することができた。

十中八九、違法な商売をしていて、その取引相手と接触した。その瞬間を目撃したわけだが、もしドラッグがやりとりされたとしても、私にできることなど何ひとつないのだ。これでトラブルに巻き込まれたとしても、誰も助けてくれない。自分の置かれている立場がいかに弱いものであるか、という現実を否応なく突きつけられた。

あらためて、我々はブルース・リーと会って話を聞くことになった。その場では、「今の生活を抜けだしたい。次の世代に希望をつなげていきたい」というリーダー然とした話をしはじめた。

国家の保護対象にされていない彼らが生きていくことは、経済発展の途上にあるルーマニアではかなり厳しいということが伺えた。

そのことはよくわかったのだが、どうしても、さきほど目撃した薬物の取引について、もう少しだけ踏み込んで話したいという好奇心が消えなかった。