本田圭佑「オレは単なるビッグマウスじゃない」
モスクワ密着レポート 欧州CL
「ベスト4」を懸けた激闘を経て、新境地へ
インテルとの第2戦で、この日2本目のFKを蹴る。惜しくも枠を外れ悔しそうな表情を見せた 〔PHOTO〕山田一仁

取材・文/安藤隆人(サッカージャーナリスト)

「この悔しさを今後忘れることはないでしょう」

 試合後、彼は淡々としながらも、強い口調でそう言い切った。

 欧州チャンピオンズリーグ(以下、CL)準々決勝、イタリア王者インテルとの第2戦。開始早々の前半6分、彼のパスミスから相手にFKを与えると、直接叩き込まれ、チームは1‐0で敗れた。

 「このチームで求められるのは勝利。そして優勝。それが出来なければ、当然責任は外国人選手に向けられる」と、CSKAモスクワの本田圭佑(23)は常々語っている。だからこそ、彼はインテルとの大一番に並々ならぬ闘志を燃やしていた。

「ミスをしたけど、それは自分ですぐに整理をつけて、まずはこの試合に勝とうという気持ちでプレーした」が、献身的なプレーと積極的な仕掛けも実らず、彼自身、77分に途中交代してしまった―。

 本田は、世界のトップを争うチームとの差をこのCLで嫌と言うほど思い知らされただろう。だが、この経験は彼にとってこの上ない財産となるに違いない。なぜならば、彼が常に抱く"危機感"こそが彼の成長への原動力だからだ。

 振り返ってみると、2月24日に行われたCL「ベスト16」第1戦、3月7日のロシア・スーパーカップでは、トップ下として先発出場しながらも、目に見える結果を残せなかった。

「正直、焦っていました。新しい選手が入って結果が出ない場合、外れるのはやはり、新しい選手。まずメスを入れられるとしたら俺のポジションだと思っていたので、何としても結果が欲しかった」