干場義雅 第2回
「編集の仕事をやりたいと思っていたときに、ある雑誌の編集長と知り合い、『ぼくを編集者にしてください!』と土下座して頼みこみました」

撮影:立木義浩

第1回はこちらをご覧ください。

シマジ どんな職種でも、たとえアルバイトであっても、18歳で仕事の現場に入り毎日先輩に鍛えられるというのは、きついことも多かったでしょうね。

干場 週5日、ビームスでアルバイトをしていました。洋服に興味があって入れていただいたので、基本的に毎日楽しかったです。でも、現実を知っていくと確かに厳しいこともありました。

まず「鏡や窓を拭け!」「廊下を綺麗にしろ!」「洋服を綺麗にたため!」と言われ、とにかく店内を綺麗にすることからはじまりました。そうしたことをひと通り全部やらされ店頭に出ると、今度は、洋服の基礎知識や接客技術を教えて頂きながらも、「日々の売り上げ目標をクリアしていこう!」という厳しい世界が待っていました。

当たり前ですけど、学生生活とはまったく違うので・・・毎日が刺激的でした。格好良くて優しい先輩たちも多かったですしね。仕事が終わったら、そんな先輩たちに遊びに連れて行ってもらうことも多かったので、大変でしたが、楽しいことも山ほどありました。

シマジ 大学の授業に出て居眠りしているより、よっぽど身になる経験だと思いますよ。

干場 そんなとき、バイトの休みの日に、雑誌のスナップ撮影をやってるから!と親友に誘われて、表参道に行ったんです。そうしたら、とある雑誌のスタイリストの方とカメラマンがいて、「君たち、お洒落な格好しているから雑誌に出ないか?」と言われました。今で言う、ファッション雑誌のスナップ特集ですね。その写真がいきなり大きく掲載されました。その雑誌がなんと『ポパイ』だったんです。

後日、また違う撮影があるから来て欲しいと言われて行ってみたら、今度は、街角スナップではなく、スタッフが大勢いるスタジオでの撮影でした。そうしたら、その時に撮った写真が巻頭特集の4ページに見開き裁ち落としでガーンと大きく掲載されたんですよ。

それが出版業界に足を踏み入れた最初の一歩で、それからちょくちょく読者モデルのアルバイトをするようになりました。

シマジ きっとファッションの神さまが天上界から見ていたんでしょう。

干場 といっても、読者モデルに毛が生えたくらいのものでしたけどね。それからは、平日ビームスのアルバイトで週5日間働いて14万くらい稼いで、たまの土日の2日間うちの1日は読者モデルのアルバイト、という生活をしばらく続けました。それがわたしの18~20歳までの人生です。