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株価急上昇!「郵政上場インパクト」はどこまで続くのか
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日本株急上昇の背景

11月4日、日本郵政グループである日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の3社が東京証券取引所に上場した。今回の上場は世界的に株価が反発する中で行われ、株式市場の動向を重視する安倍政権にとっても、ベストなタイミングだったといえる。

今回の上場は個人投資家などを中心に多くの資金を株式市場に引き付け、相場を上昇させた。上場日の株価は売り出し価格を上回って推移し、かんぽ生命保険はストップ高まで買われたことからも、郵政上場が多くの投資需要を集めたことが確認できる。

だが、これで、これから株価が安定的に上昇傾向を辿ると考えるのは尚早だろう。

郵政上場は国を挙げた一大相場イベントであり、官制相場の色が強い。米国の年内利上げが視野に入る中、ヘッジファンドが利益確定に急ぐ可能性もある。官制相場の先行きには慎重な判断が必要だ。

郵政グループ3社の株価が大きく上昇したことには、主に二つの背景がある。一つは株式の需給要因、そしてもう一つは世界的な株価の反発だ。

需給要因については、売り出しの大半が国内の個人投資家向けだったことが大きい。NISAや“郵便局”のイメージから連想される親近感なども手伝って、郵政上場に対する個人投資家の関心は高かったようだ。

政府が日本郵政グループの上場によって相場を活性化させたいと考えていたこともあり、個人を対象としたマーケティングは功を奏したといえる。

特に、かんぽ生命保険は、売り出された株数が日本郵政、ゆうちょ銀行に比べて少なかった。その結果、買いが集まりやすく、株価も上昇しやすかった。上場後の株価上昇が追加的に需要を集め、上場後数日間の郵政グループ3社の株価、そして、わが国の株式市場の上昇をサポートしたといえるだろう。

また、10月に入り軟調な米雇用統計を受けた低金利環境継続への期待から、世界的に株価が反発した。これがわが国の株式市場を支えた点も無視できない。

10月半ばには、ECBの追加緩和観測や、中国人民銀行の金融緩和が投資家のリスクテイクを支えた。そしてイエレンFRB議長の年内利上げの示唆などを受けて円安が進んだ。こうした市場環境が郵政3社の上場を支えた点は大きいはずだ。