中国
中台トップ会談で垣間見えた習近平の「野望」〜米国による「対中包囲網」を突破せよ!
台湾の馬英九総統(左)と中国の習近平主席(右) 〔PHOTO〕gettyimages

1949年の分断以来初の「中台トップ会談」が実現

シンガポール時間の11月7日午後3時、ついに中国共産党トップの習近平主席と、中国国民党トップの馬英九総統の「習馬会」が実現した。

数百人の記者団が待つシャングリラホテルの会議場に、共産党の「党色」である紅いネクタイを締めた習近平主席が向かって右側から、国民党の「党色」である青いネクタイを締めた馬英九総統が左側から現れ、二人はちょうど中央で握手を交わした。

習近平主席は、自分が「主人」で馬総統が「客人」であることを示すため、向かって右側に立ち、右手だけを出した。それに対して、形式的なことには中国ほどこだわらない馬英九総統は、両手を出してがっちりと握手を交わした。

二人はそのまま、左を向き、中央を向き、最後は右を向いた。握手は1分10秒間も続いた。両党トップが会うのは1949年の分断以来、初めてのことだけに、気持ちもひとしおだったのだろう。その後二人は、約50秒にわたって右手を振り、隣室の会談場へと向かったのだった。

中国共産党はそもそも中国国民党から「分派」した政党であり、思想の異なる「兄弟」のようなものだ。そのためトップ会談は、両党が望んでいたものだった。

私は総統就任前の馬英九氏に二度、お目にかかったことがあり、その時、「総統に就任したら、(当時の)胡錦濤主席と会う気がありますか?」と聞いてみた。すると馬英九氏は、こう答えた。

「もちろんだ。私はいつだって北京へ行く用意がある。ただし唯一の条件は、私を『中華民国総統』と呼んでくれることだ」

この「呼称問題」は、実はものすごく高いハードルで、中国側は、「中国国家主席と一地方自治体トップとの会談」に固執した。そのため、2008年に馬英九氏が総統に就任して以来、会談は実現しなかった。

それを今回は、「国内外の情勢の時流に乗って」中国側がハードルを下げた形となった。互いの呼称を取っ払い、「先生」と呼び合うこととしたのだ。これなら、「中台平等」を前提条件とする台湾側も納得できた。

ただし中国側は、「形式的な主人」を演出するため、前述のように面会時に習近平主席が向かって右手に立つこと、会談では習近平主席が先に発言することを求めた。あとは、会談と続く晩餐会の費用も折半とし、「中台平等」を示したのだった。

〔PHOTO〕gettyimages
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