もし妻が認知症になったら---「徘徊」「失禁」「暴言」。目の前の現実を、あなたは受け止められますか?
大山のぶ代の夫・砂川啓介が問う
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妻が認知症になり、今まで当たり前だったことができなくなる。夫が妻を介護するのは想像以上に大変なことだ。でも目を背けてはいけない。それは誰の身にいつ起こっても不思議ではない。

どうにもならない現実を受け入れられるか

〈 変わってしまったカミさんの姿と、どうにもならない現実を前に「いっそ、このまま、ペコを道連れに死んでしまったほうが、楽なのかもしれない……」と考えた夜もあった 〉(『娘になった妻、のぶ代へ――大山のぶ代「認知症」介護日記』より。以下同)

娘になった妻、のぶ代へ』(双葉社)には、生々しい介護の現実が綴られている

テレビアニメ『ドラえもん』の声を26年間、演じてきた女優・大山のぶ代(82歳)。彼女の夫である俳優の砂川啓介(78歳)が、認知症を患った妻の現実と介護の日々を綴った本を上梓した。その生々しい描写が今、話題を呼んでいる。

砂川は、妻の大山を「ペコ」と親しみを込めて呼んできた。大山夫妻には子供がいない。最初の子供は死産で、二人目も未熟児のため生後3ヵ月で亡くしている。それ以来ずっと夫婦二人きりで生活してきた。

その妻がある日突然、認知症になってしまった—医師からそのことを宣告された時の心境を砂川はこう明かしている。

〈 2012年、秋のある日、ペコがアルツハイマー型の認知症だと突如、診断された。でも、俺はなかなか現実を受け入れることができなかった。どんどん変わっていく君の姿に、戸惑いや苛立ちを隠すことすらできなかった 〉

もし明日、妻が認知症になったとしたら、あなたに介護ができるか――砂川の本は読者にそんな問いを突きつけている。