雑誌
日本郵政株は早めに見切るべし! ~上場時の熱が冷めれば、あとは下がり続けるのみ

2016年「景気と経済」大予測
日本郵政の西室社長 〔PHOTO〕gettyimages

【2016年に消えそうな会社 シャープはいったい、いつまでもつのか】はこちら

プロは「すぐに売る」

11月4日、郵政三社株(日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命)がいよいよ上場する。公開時の時価総額は14兆1450億円、'87年のNTT株以来の大型上場とあって、投資家たちの大きな注目を集めている。

「三社の株に申し込みをしましたが、当たりませんでした。NTTのときほどは盛り上がっていなかったので、当選すると思ったのですが……」

こう語るのはファイナンシャル・プランナーの深野康彦氏だ。もっとも深野氏は、郵政株を長く保有する気はなかったという。

「機関投資家やTOPIXに連動するファンドが年末にかけて買ってくるので、しばらくは値上がりするでしょう。しかし、郵政三社の業績が'16年に大きく伸びるとは思えません。私の場合、上場後、5~10%くらい値上がりしたらすぐに売るつもりでした」

経済評論家の山崎元氏は、そもそも売り出し価格が高すぎると見ている。

「株価を一株当たりの利益で割ったPERは、15倍~16倍程度と予想されます。これは現状での日経平均採用銘柄のPERとほぼ同水準。IT企業など、より成長性の高い銘柄も含めた数字と同じというのは、成長余地が小さい郵政三社のPERとしては魅力がない」

郵政三社はいずれも巨大組織。ベンチャー企業のような成長性は、期待すべくもない。例えば、ゆうちょ銀行は法律によって預入限度額が1000万円に制限されているため、海外への進出も難しい。

経営コンサルタントの小宮一慶氏が語る。

「今後、法律が変わってゆうちょ銀行の預入限度額が2000万円、3000万円と引き上げられると思いますが、その代わりに、異次元緩和を行った日銀が保有している300兆円もの国債を引き受けさせられる可能性もあります」

政府の思惑で収益構造が大きく変化してしまうリスクが大きい「国策銘柄」なのだ。

「企業努力ではなく政治的要因で業績がぶれるような不透明な銘柄に投資するのは気が進みません」(前出の山崎氏)

日銀の異次元緩和の出口戦略に利用された挙げ句、国債が暴落したら……。目も当てられないような惨状がゆうちょ株を襲うことになる。

かんぽ生命にしても、人口減、少子高齢化によって国内市場が縮小しているなかで成長を目指すのは至難の業だ。また、日本郵政は日本郵便を抱えていることがネックになる。郵便事業はヤマト運輸などとの激しい競争があるし、効率だけを考えて赤字だからといって僻地の郵便局をつぶすわけにもいかないからだ。

第一章でも予測した通り、'16年の株式市場は低調が予想される。大型株である郵政三社は市場全体の影響も受けやすく、上場時の熱狂が過ぎ去れば、株価は下がり続ける。早めの見切りが肝心だ。

「週刊現代」2015年11月14日号より
 

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら