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2016年に消えそうな会社
シャープはいったい、いつまでもつのか

本社ビルも売却が決定〔PHOTO〕gettyimages


まもなく資金ショート

業績好転が見込めないシャープが、いよいよ経営破綻の瀬戸際に立たされている。

「髙橋興三社長が、連日政府系ファンドの産業革新機構と折衝を行っています。しかし、この期に及んで議決権の半分は渡さない、液晶部門は手放さないという条件を提示していて、落としどころが見つからないようです。そんな強気な姿勢でいられるような状況ではないと思うのですが……」(シャープ幹部社員)

今年6月に三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行から2000億円の出資を受けたものの、焼け石に水。その後も、本社ビルなど資産の切り売りをくり返しているが、すべて担保に入っている物件なので売却金は債務の返済に回されている。

「大阪のある営業所は、電気代節約のために昼間は、ほとんどの電気を消して真っ暗な部屋で仕事をしている。人員整理が進み、次々と社員がいなくなっていくので、残された側は暗澹たる気持ちですよ」(前出の幹部)

売上高が2兆円を超えるシャープの場合、手元にはその1割、2000億円超の現金が必要だとされる。しかし現在、シャープの手元の現金残高は1000億円を割り込んでいるという。全国紙経済部記者が語る。

「11月末から12月にかけて、資金ショートが現実化する可能性が高い。主力銀行の一つである三菱東京UFJはシャープ支援に終止符を打とうとしています。来年で頭取を退くことになっている平野信行氏が、『私の代でシャープの問題はカタを付ける』と断言しているそうです」

産業革新機構も、倒産寸前の会社に無闇にカネをつぎ込むようなことになれば世論の猛反発を受けることがわかっているので下手に動けない。

また、たびたびシャープとの提携交渉が伝えられる台湾の電機メーカー鴻海(ホンハイ)も現在は静観している。

「進歩の速い液晶技術は急速に陳腐化するので、鴻海から見ても、シャープの技術は喉から手が出るほど欲しいものではなくなっている」(前出の経済部記者)

まさに四面楚歌のシャープ——その断末魔の叫びが聞こえる日は近い。

他にも経営危機が噂されている会社がある。「ブラック」批判が続き、業績悪化が止まらないワタミである。

主力の居酒屋チェーン「和民」など外食事業が不振続きで、'15年4~6月期の決算では、売上高は前年同期比12・5%減の345億円、営業損益が9億円の赤字、純損益が15億円の赤字と'98年の上場以来最悪となった。

介護事業を損保ジャパン日本興亜ホールディングスに210億円で売却することで、ひとまず財務悪化を食い止める見込みだが、主力の外食事業が復調する兆しはない。

「よほど大胆なイメージチェンジを図らないと『Xデー』が近いと噂されています」(外食産業に詳しい経済誌記者)

この2社のように「即死」の危機に瀕しているわけではないが、徐々に表舞台から退場しようとしている有名企業がある。

例えば、昨年、中国工場でのあまりに杜撰な食品管理が発覚して以来、業績の悪化が止まらない日本マクドナルド。

'15年上半期の決算では最終損益が262億円の赤字になり、社員の基本給の引き下げや131にも及ぶ店舗の閉鎖が決まっている。新メニューの開発や価格の改定などで業績回復を図っているが、どれも消費者のニーズをつかみきれていない施策ばかりだ。

マクドナルドと並んでデフレ企業の代表であるユニクロも国内での売り上げが頭打ち。品質重視で価格帯を上げたことが裏目に出て、若い世代を中心に客が離反しはじめている。

めまぐるしい環境の変化が予想される'16年。対応を一歩間違えると、シャープのように転落する企業が続出するかもしれない。

「週刊現代」2015年11月14日号より

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