二つの維新の泥仕合!? どうなる、大阪ダブル選

『週刊現代』官々愕々より

〔PHOTO〕gettyimages

悩ましき大阪ダブル選

維新の党(松野頼久代表)のお家騒動。松野維新側が、橋下徹大阪市長が旗揚げ予定の「おおさか維新の会」系の国会・地方議員合わせて160人超の除籍処分を行ったのに対し、「おおさか」側は、除籍された議員たちで逆に「維新解党」を決定するという異常事態に発展した。今や、「二つの維新」の泥仕合が連日スポーツ新聞などに面白おかしく報じられる状況だ。

これは、11月22日の大阪府知事・市長のダブル選挙に向けた橋下市長お得意のパフォーマンスという面もあるが、だからと言って、笑って見ていれば良いというほど軽い話ではない。

大阪ダブル選での「おおさか」側の勝利は、橋下氏の政治的影響力の復活を意味する。他方で、維新の党の力は大きく落ちる。現在は、民主・維新間の野党再編協議で、維新がリベラル色の強い高めのタマを投げているが、これが民主主導の再編になれば、政策軸のない玉虫色の政策合意に終わる可能性が高い。これでは、国民の野党支持は増えない。

また、橋下氏の力が強まれば、考え方の近い民主の前原誠司、細野豪志らのタカ派の勢いが増し、共産党が提案する野党連立政権「国民連合政府」への民主の参加は難しくなる。その結果、野党は引き続き十数パーセントの支持率しか得られず、自民一強体制は継続するのだ。

これを防ぐには、大阪のダブル選で、「おおさか」側の勝利を阻止することが必要だが、現実には、その動きが極めて弱い。その理由は何か。

国政では、「おおさか」の議員は、守旧派が多い上に、タカ派で安倍政権の補完勢力である。ところが、大阪のダブル選では、それは全く問題にならない。

今回の知事・市長選ともに、「おおさか」の対立候補は、自民党。もちろん、安倍自民の一部だから、超タカ派というイメージだ。タカ派の橋下維新と超タカ派の安倍自民の戦いでは、「おおさか」のタカ派イメージは薄れる。

そこで橋下氏が作った争点が、どちらが「改革派」かというものだ。大阪の自民党を改革派だと言う人はいないだろう。一方、橋下氏のもつ改革派イメージで「おおさか」の候補はなぜか皆、改革派に見えてしまう。この構図では、「おおさか」が有利だ。

この状況で困るのが、リベラル系の有権者だ。国政を考えれば、橋下氏の復活は困る。しかし、「おおさか」の候補を落選させるには、自民候補を当選させねばならず、まさに究極の選択だ。

安倍政権は、表向き大阪の自民候補を強力に支援する姿勢を見せる一方、橋下氏らとの蜜月振りもアピールしている。これも、実は「おおさか」にとって有利だ。何故なら、自民でも維新でも結局は安倍自民の支援になると思えば、橋下嫌いのリベラル派の棄権が増えて、「おおさか」に有利になるのである。

こうした中、東京のSEALDsやSEALDsKANSAIの動きに関心が集まっている。手詰まりのリベラル勢力にとって、今や頼みの綱はSEALDsしかないという感じだ。

「国政のために自民候補を応援すべきか、すべきでないか」、まさにハムレットの悩みを乗り越えて、若者ならではの奇抜な選挙戦略が出てくるのか。今後の動きに注目が集まっている。

『週刊現代』2015年11月14日号より

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