政治政策
安倍政権「一億総活躍」の意味が、ようやく分かった
~なるほど、進次郎に逃げられたのも納得

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「船の名前を変えただけ。他はまったく同じだ」

安倍政権にも通じている経産省OBが、「一億総活躍社会」という第三次安倍改造内閣のキャッチフレーズについてこんな説明をしてくれた。

「発足以来の安倍政権を船に見立てれば、いまの内閣の問題がよく分かります。船長も船員スタッフも同じ、向かっている方向も同じ、船の大きさも同じ、スピードも同じ。ただ、船の名前や外側の色を変えているだけです。

船長は安倍首相、スタッフは経産省を中心にした側近たち。方向は長期政権維持や憲法改正、財界と連携した経済政策など。船の名前はこの前までは統一地方選挙を見据えた『地方創生号』でしたが、今は参院選へ向かって『一億総活躍社会号』と名前を変えただけです」

10月27日。第三次安倍内閣の発足を受けて新しい自民党のポスターが公表された。安倍首相の語りかけるような顔がほぼ全面に配置され、新内閣のスローガンである「一億総活躍社会へ」が中央下に書かれた。

このスローガンにかける自信のようなものが伝わってくるが、しかし安倍首相のこれまでの記者会見を見ても、「一億総活躍社会」については、従来の政策とダブる部分が多いうえ、あいまいな言葉が入り乱れているため、首相や新内閣がどんな理念、どんな軸、そして具体的に何をしようとしているのか分からない、という印象を多くの人が持つのではないか。

まず、安倍首相の説明はこうだ。

あらたに「新三本の矢」と銘うって、GDP600兆円、出生率1・8、介護離職ゼロを掲げ、これらを実現することで50年後も人口1億を維持し、みんながもう一歩前に出ることができるような日本に変えていかなければならない――、それが「一億総活躍社会」である、と。

ただし、具体的な中身を検討するのはこれからで、今後民間議員なども加えた国民会議を開き、11月中には緊急対策を打ち出すという。

やはり聞いていてもスッキリしない部分が多い。安倍首相は、「アベノミクスの第二ステージに移る」と言いながら、一方で「第一ステージの成果」は総括されていない。成長戦略の規制緩和などは十分に進んでおらず、道半ばだと指摘する財界関係者や経済専門家も多い。