干場義雅 第1回
「大学に行くといって親からもらった20校分の受験料は、ぜんぶ洋服に使ってしまいました」

撮影:立木義浩

<店主前曰>

今月の「Nespresso Break Time」のお客さまは、現代ビジネスの弟分的存在の男性向けファッションサイト「FORZA STYLE」の干場義雅編集長である。

干場はいまファッション界の輝ける旗手である。そしてなんと、彼は高卒だというではないか。わたしはそのことに何よりも感心した。大学など出ていなくても、飛ぶ鳥を落とす勢いで大活躍している人間を、わたしは何人も知っている。

たとえば資生堂の関根近子常務。美人で背が高く、英語で堂々たるスピーチが出来て、なかなか迫力のある女性である。冨田拓朗は計35社を経営する凄腕のオーナーだ。何を隠そう伊勢丹サロン・ド・シマジのブティックで扱う革製品を作る「グロスバルト」も冨田が経営する会社の1つである。新宿の「ルパラン」のオーナーバーマン・本多啓彰も高卒だが、本と映画を愛する正真正銘の文化人である。あの軽妙な話術は膨大な読書と映画鑑賞で培われたのだろう。

干場も、この4人も、下手な大卒など足もとにも及ばない才能と情熱を持ち合わせている。学校で習うことではなく、手探りの独学からこそ、真に魅力的な人間は生まれるのかもしれない。

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干場 シマジ先生の今日のジャケットはアットリーニですね。

シマジ 干場編集長、「先生」はやめてください。どうも先生といわれると死んだ親父を思い出すんです。親父は学校の先生をしていましたから。

干場 でもわたしにとってシマジ先生は、やっぱりシマジ先生です。

シマジ いやいや、「シマジさん」でいいですよ。

立木 セオはまだか? あいつから事務所に電話があって、今回はわたしも行きますといってたんだけどなあ。

シマジ 名セリフが久しぶりに出ましたね。ヒノ、セオはどうした?

ヒノ 僕より早く会社を出たのに・・・。さすがにもうくるころでしょう。