経済の死角

開発者が明かす「儲かるアプリ」の作り方

iPhone15万本×Android3万本

2010年04月17日(土) FRIDAY
upperline
指でなぞって入力する。入力した文字の修正も可能だ 〔PHOTO〕船元康子(以下同)手書きメモアプリ「SpeedText」の画面。メモをリストにして保存でき、PC向けメモサービス「Evernote」との連携も可能だ

 iPhoneで大人気のアプリケーションが15万本を超えた。一方、NTTドコモのXperiaなどで利用できるAndroidアプリケーションも3万本を突破した。アプリビジネスが盛り上がるなか、"アプリ長者"の素顔と成功の極意に迫った!

「公開して3日目には売り上げランキングでトップになりました。それから一日1000本くらいのペースで売れ続けて、1週間で売り上げは数十万円に。正直、ビックリしました」

 そう語るのは、iPhoneアプリ「SpeedText」を開発した広部一弥氏(35)だ。SpeedTextは、iPhoneで手書きのメモをとることができる230円の有料アプリで、昨年6月に公開後、10ヵ月あまりで10万本ダウンロードされた。

 売上高は、発売時に半額セールを行った分を差し引いても、軽く1000万円を超えた。

 '08年7月、アップルが誰でもiPhoneアプリを販売できるApp Storeを開設して以降、広部氏のようにアプリ販売で儲ける"アプリ長者"が次々と出現している。

 そして、近年、この動きがiPhoneにかぎらず、さらに拡大しそうな勢いを見せているのだ。携帯電話に詳しい武蔵野学院大学准教授の木暮祐一氏は、こう解説する。

「iPhoneアプリが利用できる端末が、世界で5000万台を超え、アプリのダウンロード数も30億本を突破しました。また、今月頭にはグーグルのAndroidを搭載したNTTドコモのXperiaが発売され、今月末にはiPadの国内販売も始まります。個人や企業がアプリ開発に続々と参入するなど、アプリ市場が旬を迎えているのです」

 いったいアプリ長者は、どうやって儲けているのか。人気アプリの開発者にそのヒミツを聞いてみた。

アプリ販売を極める

 前出の広部氏は、名古屋大学大学院に通う学生で、開発のきっかけは、研究に使う自分用のメモが欲しかったからである。

名古屋大学大学院の博士課程に在籍する広部一弥氏 出身:福井県 家族:独身 前職:SE(会社員) 座右の銘:一期一会 
気になるアプリ:「TiltShift Generator」今後の予定:米国中心に売りたい。iPadアプリの開発にチャレンジしたい。

 広部氏は、思いついたことを何でも紙に書き出すメモ魔だったのだが、そのメモをよく紛失してしまう"なくし魔"でもあった。そんなある日、「どうせなくすから、iPhoneでメモを管理すればいい」とひらめいた。

 だが、App Storeを探しても、使い勝手のいいアプリはなかった。

「iPhoneアプリって、自分でも作れるのかな・・・」

 そんなつぶやきをTwitterにしたのが発端となった。それを読んだ友人が開発方法を教えてくれたのだ。

〈iPhoneアプリは、Macに無料の開発ツールをインストールして、開発者の登録をすれば誰でも公開できる。有料アプリは1回限りの売り切りで、販売額の7割が開発者の取り分。世界各国で売ることができ、売れた分は円換算されて口座に振り込まれる─〉

 そうした話に触発された広部氏は、MacBookを購入し、1ヵ月かけて、iPhoneアプリに取り組んだ。そして開発したのが、SpeedTextだ。

次ページ 「最初にメモを見やすく撮影でき…
1 2 3 4 5 次へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事


underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ
編集部お薦め記事