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【衝撃レポート】下流老人に一番なりやすいのは、「年収700万円世帯」だった!
あなたに忍び寄る、老後破産という現実
週刊現代 プロフィール

地獄は介護から始まった

まったく予想していなかった事態にたて続けに襲われ、貯蓄はあっという間に底をついた。住宅ローンは何とか完済が見えてきたそうだが、ローンを返しながら年金で妻と息子を養う生活は、爪に火をともすような苦しさだという。

順風満帆だった現役時代には、想像すらしなかった「下流老人」に、彼はあっと言う間に落ちてしまった。

長野県に住む60歳の男性は、数年前に80代の父親が倒れて介護が必要になったため、勤めていた大手メーカーを辞めて、東京から地元に戻った。いわゆる介護離職である。

「長野では同じ業界の小さな会社に再就職しました。収入はかなり下がりましたし、私立大学に通う子供の教育費もかかるので、自由になるお金はほとんどありません。保険を見直したり、軽自動車に乗り換えたり、外食をやめたり、努力はしているつもりですが……。

この前、結婚して東京に住んでいる娘が『マンションを買う頭金を出してほしい』と言ってきたときは、妻と一晩悩んで、なけなしの300万円を出すことにしました。これも老後に何かあった時の資金にしようと、貯めていた金だったんです」

確かに、まだ働き盛り、稼ぎ盛りの50代半ばで転職を余儀なくされたことには同情すべきだろう。しかし、ひとつ引っかかるのは、この男性が「軽自動車に乗り換える」「外食をやめる」といったことを「努力」ととらえている点だ。

世の中にはこれを「努力」だと思っていない人、最初からそうしているという人もたくさんいる。多少手狭でも公営住宅でがまんし、子供を公立の学校に通わせ、型落ちの中古車に乗る。

身の丈に合ったものを買い、無謀な投資をしたりローンを組んだりせず、地道に貯金する。年収700万円層もこうした暮らしを心がけていれば、不測の事態が起きても、慌てずに済むはずである。

しかし「自分は中流だ」というプライドと油断は、簡単には抜けない。そのせいで、せっかくの老後資金を失ってしまう人が続出している。