久保利英明 第4回
「総会屋からはよく『こら久保利! ヤクザモンでも着ないような服着やがって!』と罵倒されました」

撮影:立木義浩

第3回はこちらをご覧ください。

シマジ 久保利先生を有名にしたのは株主総会から総会屋を排除したことでしょうね。「久保利方式」という言葉が流行ったくらいですから、凄いことです。

セオ 総会屋の食い扶持を取り上げるわけですから、それは大変なことだったと思います。犬だって食べてる途中のエサを取り上げられたら噛みつきますよね。1982年から本格的に総会屋排除に取り組みはじめ、久保利先生は実際に怖い目には遭わなかったんですか?

久保利 防弾チョッキを着たことはあります。でも頭までは守れませんからね。それに彼らはコストパーフォーマンスを考えるんです。久保利を刺したり撃ったりした場合、何が起こるか。必ず警察が全力を挙げて検挙し、組織はつぶされますよ。それじゃ割にあわないでしょう。

そこで彼らはこう考えたんでしょう。久保利が頑張ったとしても、日本中3000社の株主総会を全部仕切れるわけではない。

セオ ということは、久保利先生が入ってこない会社を狙ってやっていたんですか。

久保利 総会屋に攻撃されるとすぐに折れちゃう会社もあるわけです。金を払う。すると今度は法律で禁止されているのに金を払ったということになり、恐喝のネタにされる。いいことはひとつもない。

それまで金を払っていたのは禁止されていなかったからですが、今度は、禁止されているのに、お前らは払ったなと。彼らと仲良くお手々つないでいこうなどと思ったら、未来永劫、金を取られるだけです。

彼らは、わたしが依頼を受けた会社には滅多にこなかった。そういう餌食になる会社をほかに捜したのです。

「久保利方式」というのは、別にわたしが名付けたわけではありませんが、いつの間にかそういわれるようになり、有名になったんですよ。