高すぎる携帯料金に、そろそろサヨナラしようじゃないか!方法はある。政府も動いた。実現しないのはなぜだ?
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安倍首相が問題視

「大きな課題」と安倍晋三首相が料金引き下げを迫った携帯電話問題に関して、先週、初の有識者会合が開催され、その席上で配布された資料から政府・総務省の描く戦略が浮き彫りになってきた。

柱になりそうなのは、

①あまり使わない利用者向けの格安料金プランの導入を促す
②長期間ひとつの電話機を使う人や割引を受けずに電話機を購入する利用者にも、メリットのある料金体系を導入させる
③新たな競争の担い手と期待されるMVNOがさらに料金を引き下げられるよう、制度面から支援する

の3項目だ。総務省は資料の中で、いざとなれば「業務改善命令」を発する権限があることを誇示して、NTTドコモなど携帯大手3社に圧力をかけている。

しかし、通信料引き下げ競争は収益の悪化に直結するだけに、3社が素直に従うとは考えにくい。

では、われわれ消費者はどうすればいいのだろうか。はっきり言えば、安倍首相や総務省頼みで、ドラスティックな改善を期待するのは無理だろう。自己防衛のために“通信リテラシー”を高めて、自分でできる対応策を探る以外に道はなさそうだ。

「日本の携帯は高くない」
「トラフィック(通信量)やアプリの使用料が増えているのだから、料金が上昇するのは当たり前だ」
「実質負担金がゼロも珍しくない。こうした格安価格で新しい端末が手に入るのは、消費者にとってメリットである」――。

マスコミ不況の中で、携帯電話大手3社が数少ない広告の大口クライアントだからというわけではあるまいが、携帯の料金引き下げ問題を巡っては、新聞やテレビの歯切れの悪さが目立つ。

ワケ知り顔で、携帯電話会社側の事情を代弁するかのような解説記事やコメントが多いのだ。

先週19日に、総務省が開いた有識者会合「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」の雰囲気も、似たようなものだ。

メンバーに、日頃のビジネスや研究データの提供などで、携帯大手3社と浅からぬ関係にある人がいるからだろうか。会合では、「国際的に見れば、日本のケータイは高くない」「これまでの規制緩和の流れもあり、今回、新たに規制を入れるのはよくない」といった“バランスの取れた発言”が少なくなかったと聞く。

20年以上、この分野を取材してきた筆者から見れば、マスメディアや有識者より、総務官僚の方がよほど競争促進に熱心で、利用者の利益に高い関心を持っている。

周波数という希少な公共財を占有して事業を営む携帯電話各社が、そろって国内企業の利益規模ランキングで上位に顔を連ねているのだから、総務省の姿勢はリーズナブルである。

ただ、第3世代携帯電話(3G)や3.9世代の高速通信サービス(LTE)の周波数割り当ての際に、新規参入を実現できなかったのは大きな失敗だ。この失敗は、携帯電話市場の寡占化を許し、通信料金の高止まりを招いた最大の原因である。

市場の力を過信して、ほとんどの事前規制を撤廃した後、寡占化が急ピッチで進んだことに十分に対応できるように規制の枠組みを再構築しなかったことも、怠慢と言わざるを得ない。

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