サッカー
二宮寿朗「J3にセカンドチームが参入する意味」

 Jリーグは来シーズン以降、3部に相当するJ3にJ1、J2クラブのセカンドチームを参入させる案を前向きに検討しているという。
J3発足から2年目の今季も12クラブとJリーグ・アンダー22選抜(J-22)の13チームで構成され、「J-22」以外の12チームがJ2昇格対象(J2ライセンスを保有している場合)となっている。10月22日現在のトップはJFL(4部相当)から今季昇格したばかりのレノファ山口で、2位に町田ゼルビアがつけている。

 J1は18チーム、J2は22チームで構成されており、チーム数の少ないJ3をどう拡大していくかが、今後のテーマになる。スペインやドイツのようにセカンドチームの参入は以前から噂されていたこと。来シーズンからの参入を目指してガンバ大阪、FC東京などが既に動き出しているという一部報道もある。

 本来ならばJFL以下の「Jリーグ百年構想クラブ」(JFLの鹿児島ユナイテッド、奈良クラブなど)で段階的に枠を埋めていくのが理想だと言える。地域リーグには岡田武史元日本代表監督がオーナーを務めるFC今治など注目されているクラブもあって、近い将来のJ入会を目指している。しかし地域リーグ、全国地域サッカーリーグ決勝大会、JFLと段階をきちんと踏まなければならないクラブからしてみれば、セカンドチームがすんなりJ3に参入できるとなれば面白くないはずだ。彼らの意欲を削ぐ形になってはいけない。

 それでもセカンドチームの参入を「やむなし」と筆者は考えている。J2昇格をめぐる戦いがリーグ最大のテーマであるために、強化を一番の目的とするセカンドチームの参加が少数という前提であれば、ではあるが。(※同一カードにならなければいいという規定のスペインのようにトップチームが1部にいれば、セカンドチームの2部昇格を認める可能性もないわけではない。だがそうなると枠を削がれるJ2クラブからの反発も予想される)

 参入を「やむなし」とする理由は、まずもって若手強化の観点からだ。
かつてJリーグには「サテライトリーグ」があった。出場機会の少ない選手はここで実戦感覚を維持していたのだが、遠征費など費用がかさむことも一因となって2009年限りで消滅している。

 以降、若手の実戦経験をいかに増やしていくかが、日本サッカー協会やJリーグでもずっと課題に挙がっていた。タレント性のある高校生がいきなりプロの道に進まず、大学サッカーで経験を積んでからJリーグのクラブに入るという流れができたのも、こういった事情と無関係ではなかった。移籍期間外でも下部カテゴリーのクラブにレンタル移籍が可能な「育成型期限付き移籍制度」があるとはいっても、課題の根本的な解消には至っていない。

 セカンドチームのJ3参入となれば、タレント性を伸ばせる時期に実戦を積ませながら成長させることができる。

 各クラブの22歳以下のメンバーを集めて戦っている「J-22」は、成績だけで言えば今年も下位に低迷している。週ごとにメンバーも変わるし、地域に根差したチームでないために「ホーム」がない。とはいえ、将来の日本を背負うような選手たちが集まってもハングリーに戦うJ3の舞台ではそう簡単に勝たせてもらえていない。