政治政策
進次郎「2021年決起説」を追う!
~安倍内閣と距離を置いた自民党のプリンスの複雑な胸の内

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「執拗」な安倍首相

10月7日に行われた内閣改造は、安倍首相の執拗な「封じ込め人事」が目立ったという一言に尽きる。

ライバルの石破茂地方創生相や、政権批判発言が目立つ河野太郎内閣府特命担当相、それにポスト安倍の一人とも言われる岸田文雄外相・谷垣禎一幹事長らを内に取り込むことで、動きを封じ求心力や忠誠度を高め、「一強」をより強固にしたのだった。

内閣改造が迫った9月末、自民党の若手議員がこんなエピソードを明かしてくれた。安倍首相の人事について自らの経験を踏まえての見通しだった。

「かつて自分が雑誌でほんの少し政権批判したら、安倍さん本人や側近から圧力があって、『選挙で協力しないように団体などに言う』と脅されたことがあるんです。私のような一人前にもならない小さな敵でも徹底して潰すという手法で、いま党内でリベラル派が黙っているのもそれが分かっているからでしょう」

つまり、「小さな敵も容赦せずに潰す、あるいは封じ込める」という徹底した「したたか人事」が、安倍首相の真骨頂だとこの若手議員は言うのだ。私はある派閥領袖からもこうした手法についての話を聞いた。その領袖は「外で考えている以上に、党内はみんなが怖がっている」ともつぶやいた。

そうした視点で見ると、第三次安倍改造内閣人事の意図はわかりやすい。たとえば石破地方創生担当相の留任。石破氏はかつて総裁選で決選投票までもつれ込んだ「最大のライバル」だが、国会終了直後に石破派(水月会)を立ち上げ、今後は首相を狙うことを宣言した。

実は、安倍首相はこのとき激怒し、側近らに「(石破は自分と)戦うつもりなのか」と話したという。にもかかわらず、留任させたことが、「したたか人事」の骨頂だと、安倍首相に近い自民党ベテラン議員が解説する。

「『安倍vs石破』は踏み絵の応酬でした。まず仕掛けたのが石破さん。『派閥を立ち上げ宣戦布告したこの私を登用する勇気があるか』と。これに対して安倍さんは留任という逆踏み絵を返した。

『留任要請を断って党内で非主流派になる勇気があるのか。あなたについてきた19人も全員干し上げることになる』と暗黙のプレッシャーをかけた。最後は、仲間にも迷惑をかけることをおそれた石破さんが留任を受け入れ、安倍さんの勝ちとなった。今後石破さんの発言はかなり抑え込まれることになりますね」